My Dear 1話から読む方はこちらから
店を出てからさっき江川さんが私の方を見ながら笑ってた理由を聞いてみた
「ん?たいした事じゃないよ。俺のマネージャーの谷口と奈々子は水と油だなって話してただけ」
「水と油って?」
「谷口って生真面目の典型的な女だけど、奈々子は江川さんの奥さんに似てるんだって
26歳で部長になった人で仕事人間だったらしいんだけど
結婚して変わったって言ってた それと…。」
そこまで言うと賢治はクスクス笑って何も言わなくなった
「『それと』何よ」
「結婚するなら強気でいけよだってさ。江川さん達が結婚する時もひと悶着あったらしいからな
江川さんが結婚したのって今の俺達位の年齢だったらしいから結婚も考えて付き合えだってさ」
「けっ結婚なんてまだまだ考えてないわよ。それに私だって仕事があるんだし」
「江川さんの奥さんは仕事を今でも続けてるぜぇ」
「私はそこまで強い女の人じゃないもん」
賢治は私の手を繋ぐと
「その辺は俺もサポートするからさ。少しは俺達の未来の事も考えてみてよ
ゆっくりでいいからさ さて合鍵でも作って帰るか」
そうだった。今日出かけてきたのは映画を観るのもあったけど
合鍵を作るって予定もあったんだった
でも百貨店で合鍵なんて作ったら目立つだろうなぁ
「ねぇこの辺で合鍵作ってくれる様なとこ知ってる?」
「さぁ、知らないな。携帯で調べたら?でもデパートでも合鍵作ってくれるだろ」
「また注目を浴びて雑誌に載ったりしたら嫌だもの」
そう言いながら私はスマホで合鍵を作ってくれる様な店を検索していた
よかった。ここから歩いてすぐのとこに小さいけどお店があるみたい そこで作ろっと
「賢治、賢治。ここから歩いてすぐのとこに合鍵作れるとこがあるよ
そこで作らない?」
「いいよ。じゃ行くか」
歩いて5分位のとこにあった合鍵屋さんは小奇麗で鍵屋さんには見えなかった
若い男性しかいなくって壁には色んな色の鍵が並んでいた
「すみません。合鍵作りたいんですけど」
「いいですよ。鍵をお預かりしてもいいですか?合鍵が作れるのと作れないのがありますから」
私はキーホルダーから私の部屋の鍵を渡して1つだけ合鍵を作ってもらった
賢治はというとエントラスと賢治の部屋があるホールの鍵と
賢治の部屋の鍵の3つも作らないといけなかった
「随分、鍵があるのね」
「これぐらいセキュリティがしっかりしてないとファンの子達とかが入ってきちゃうからな」
4つも作らないといけないから若い店員さんは
「全部作るとなると1時間はかかります。隣がカフェになってるのでそこでお待ち頂けますか?
出来上がったらお迎えに行きますから」
「わかりました。でも迎えにまで来てもらわなくても大丈夫です
1時間後位にまた来ますから」
これは遠慮した訳ではなく合鍵屋さんに迎えに来られたらカフェにいる人達に
私達が合鍵を作ってる事がバレるのを防ぐためでもあった