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会計の時もひと悶着あった
「橋本さんを誘ったのは俺だから橋本さんの分は俺が出すよ」
「でもここって結構いい値段するし、店を紹介したのは俺だから3人分俺が出すよ」
そんな会話がエンドレス…。
私もいい加減にして欲しかったから
「楽しい食事会だったから3人で割り勘にしない?『自分が出す、自分が出す』ってもめるのも
おばさんがレジでもめてるのと同じでみっともないよ」
私の一言で2人は黙っちゃった
「奈々子がそう言うなら…。」
「そうだね、その方がいいかも」
解決したところで賢治が
「わりぃ。俺トイレ」
って席を外した
私はその間に井上君の真意を聞いてみたかった
「あのね井上君。食事に誘ってくれたのは嬉しいんだけど
あんなに賢治に対抗しなくてもいいんじゃない?」
「今回は嵐山さんも一緒の食事会になっちゃったけど、本当だったら2人っきりで食事をしたかったんだ
前々から橋本さんってかわいいなぁって思ってたから
これって下心アリアリなんだけど」
井上君が私に対して下心アリアリ?まさか~
でも賢治に食ってかかってたのは確かだし…。
その時賢治がトイレから戻ってきた
「割り勘って言ってたけど俺が全部払っちゃったから」
右手にはブラックカードのクレジットカードがあった
さすが芸能人。クレジットカードもブラックなんだ
…。なんて言ってる場合じゃない
「さっき話合いで割り勘って決めたじゃない」
「今度、奈々子にはおごってもらうよ
奈々子の行きつけの店でもピックアップしておいてよ」
完全に蚊帳の外になった井上君は少し不機嫌だった
こうなるかもしれなかったから賢治と食事したくなかったのよ