My Dear  36話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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会計の時もひと悶着あった

「橋本さんを誘ったのは俺だから橋本さんの分は俺が出すよ」

「でもここって結構いい値段するし、店を紹介したのは俺だから3人分俺が出すよ」

そんな会話がエンドレス…。

私もいい加減にして欲しかったから

「楽しい食事会だったから3人で割り勘にしない?『自分が出す、自分が出す』ってもめるのも

おばさんがレジでもめてるのと同じでみっともないよ」

私の一言で2人は黙っちゃった

「奈々子がそう言うなら…。」

「そうだね、その方がいいかも」

解決したところで賢治が

「わりぃ。俺トイレ」

って席を外した

私はその間に井上君の真意を聞いてみたかった

「あのね井上君。食事に誘ってくれたのは嬉しいんだけど

あんなに賢治に対抗しなくてもいいんじゃない?」

「今回は嵐山さんも一緒の食事会になっちゃったけど、本当だったら2人っきりで食事をしたかったんだ

前々から橋本さんってかわいいなぁって思ってたから

これって下心アリアリなんだけど」

井上君が私に対して下心アリアリ?まさか~

でも賢治に食ってかかってたのは確かだし…。

その時賢治がトイレから戻ってきた

「割り勘って言ってたけど俺が全部払っちゃったから」

右手にはブラックカードのクレジットカードがあった

さすが芸能人。クレジットカードもブラックなんだ

…。なんて言ってる場合じゃない

「さっき話合いで割り勘って決めたじゃない」

「今度、奈々子にはおごってもらうよ

奈々子の行きつけの店でもピックアップしておいてよ」

完全に蚊帳の外になった井上君は少し不機嫌だった

こうなるかもしれなかったから賢治と食事したくなかったのよ