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「私は構わ行けど、どの位デンマークに行くの?」
「今年の末に個展があるから2~3週間位かな。」
「そう。」
雄二仕事に理解を示す為に反対はしなかたが、やっぱり寂し事には変わりなかった。
「そうだ。今日新しいギャラリーと契約してきたよ。前のギャラリーと雰囲気は変わらないけど
桜子も今度来てみる?」
「えぇ。それと明日の内山さんのお迎え。何時頃になるの?」
「12時10分って書いてあったなぁ。」
その時間であれば桜子も行く事が出来る。
「じゃぁ11時半位に成田空港に行けば間に合うわね。」
桜子は食器を片付けながら内山との再会に期待を寄せた。
翌日、二人は成田空港にいた。
「スケッチブックを1冊でも手荷物にしてくれてたらいいんだけど。」
「してるんじゃないかな。空からの光景も描くかもしれないから。」
内山の乗ってきた飛行機は30分遅れて到着した。内山は桜子もいたことに驚いていた様だが
笑顔で、
「松嶋さんんも来てくれたんですね。あっ、今はご結婚されて堺さんと同じ苗字でしたね。
この度はご結婚おめでとうございます。」
「ありがとうございます。内山さんはスケッチブックを手荷物にしてるんですか?
内山さんの絵が早く見たくって。」
「1冊持ってきてますよ。」
そう言って大きなリュックサックからスケッチブックを桜子に渡した。
「ここで立ち話も何だろう。空港内の喫茶店でお茶でもしようか。」
雄二の提案で入国ゲートゲートから近いCafeに入った。
「それでパリはどうだた?」
「いい絵が描けましたよ。今年末に堺さんのギャラリーで個展を開かせて頂けると嬉しいんですけど。」
「俺のギャラリー、引っ越ししたんだ。前より規模が大きいからたくさんの絵を飾れるよ。」
「ありがとうございます。今年もお世話になります。」
内山と雄二が話してる間桜子は内山から渡されたスケッチブックを見ていた。
「やっぱり内山さんの絵って優しいわね。今年の個展も見に行きますね。
でも雄二さんとデンマークに行くんでしょ?
忙しくなるわね。」
「ムーミン村がある様なほのぼのとした場所で描きたいです。すみません、
ご結婚したばっかりなのに堺さんも一緒なんて。」
「いいのよ。私は夜、あの店で働てるし彼は昼間働いてるから。」
「じゃ、帰ろうか。俺は内山君と個展の打ち合わせをするからギャラリーにちょっと寄るけど
桜子はどうする?」
「あなたの新しいギャラリーも観たいから一緒に行くわ。」