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「尾山君と鈴木さんも結婚されたのなら同窓会しませんか?
昔の皆にも会いたいし。」
「おっ、いい提案だね。私も昔の教え子にぜひ会いたい。」
「雄二さん。簡単に話すけど場所とかはどうするの?」
「俺のギャラリーを使えばいい。
今のギャラリーから引っ越して少し大きいギャラリーにしようと持ってるんだ。」
『ギャラリー』という言葉に飛びついたのは高城教授だった。
「堺君は夢だったギャラリーを持ったのかい?」
「えぇ。小さいですけど。」
「私も1回行った事がありますけど素敵なギャラリーですよ。
雄二さん、引っ越すの?あのギャラリー素敵だったのに。」
「最近、俺のギャラリーで個展をしていっていってくれてる人が増えたんだ。
収入も増えたしな。目を付けてるギャラリーもあるし。
今のギャラリー卒業パーティーだ。」
その表情はどこか誇らしげだった。
「じゃぁ私と雄二さんで幹事をしましょうか。どれだけの人が集まるか分からないけど。」
それからの日々は大忙しだった。
雄二も桜子も仕事があったし、二人で打ち合わせをする時間すら作れなかったからだ。
大学時代に住んでいた住居にすでに転居していた者もいたので転居先を探しのも一苦労した
それでもなんとかゼミの3分の2の参加者は集める事が出来て
初夏の中雄二のギャラリーで同窓会が開かれた
当然と言えば当然だが康之は来なかった
「いや~。突然行方不明になった時は心配したよ。」
「まさかパリに行ってたとはな。」
皆が雄二の肩を叩いながら無事を喜んだ。
なにより雄二と桜子の結婚も喜んでくれた。
鈴木が、
「私も夫と結婚したけど、桜子ちゃんと雄二君まで結婚jしてるなんてね。
嬉しい偶然だわ。」
「鈴木さん達はいつ結婚したの?」
「おととしよ。もう一緒にいるのが慣れちゃった。」
そう言ってグラスを交わした。