お昼ご飯を食べたら守は帰って行った。
「夕方、また来るよ。」
って言って。
私は私にしては珍しく眠かったから、寝る事にした。
その時、見た夢は守と結婚式をしてる夢だった。
夕方、日本史の事を山田先生に聞く為のレポートを書いてたら、守が真吾達と一緒に来た。
…。守だけでいいのに。来ちゃったもんはしょうがないよね。
正也がケーキの箱をお母さんに差し出して、
「これ、おふくろからです。後で来るって言ってました。」
「あら、ありがとう。」
私はケーキの箱を見ると10個位入ってた。
「わ~い。ケーキだ。わったしレアチーズケーキ。」
真吾が馬鹿にした様に、
「お前はいいよなぁ。食いもんやっとけば機嫌がいいんだから。」
これでも色々考えてるのよ。
お父さんの事とか守と同じ大学に行けるかどうか、高校はこのままでいいのか。
でもそれはお父さんが出て行った事が原因だから言えないじゃん。
「私でも色々考えてる事があるんだよ。」
「本当かねぇ。」
守は当然昨日とは違う服で来てて、目が合っただけで私達は通じ合ってるってわかった。
だって後ろで黙って笑ってるだけだったもん。
今日の話題は進路の事だった。
私の部屋で真吾が私のベットに座り込み、正也は私の机の椅子に、
守は私の作ったパッチワークのクッションに座って雑談は始まった。
最初に口を開いたのはやっぱり真吾だった。
「知ってたか?うちの学校って成績でクラス編成してるって。」
「私は転校してきた日に杉田先生に聞いた。」
「俺も。入学式の時に聞いた。」
守も知ってたんだ。
「じゃぁB組の正也は俺達より成績が危ないって事か。」
「2年になったらA組になるよ。一応、うちを引き継ぐのは俺なんだから
経済系の大学は行かないといけないから。」
「琴音は?将来どうするんだよ。」
(守のお嫁さん。なんて言えないよねぇ。)
「私は山田先生みたいな日本史の先生かな。あとは歴史の学者になるのもいいし。
大学残って勉強するのもいいかなって思ってる。そう言う真吾はどうするのよ。」
真吾は何故か偉そうに、
「俺?俺カメラマン。」
「カメラマンって写真の?テレビの?」
「写真の方の。何かを残せる仕事がいいんだよ。」
「へぇ、真吾がそんな事考えてるなんて知らなった。」
すると私の枕を投げつけて、
「俺だって先の事は考えてんだ。」
「ハイハイ。守はお医者さんだよね。」
「そう。だから今のうちから勉強しとかないと。」
正也も真面目に将来の事を考えてるなんて知らなかった。
いっつも本ばっかり読んでたから。
10年後、私達はどうしてるんだろう。
私は仕事とかが違っても、仲良く出来てたらいいなって思う。