幼馴染み 31話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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午後の授業に体育があった。私はお母さんからの電話で見学になった。


…。やっぱりバスケしたかったなぁ。


男子だけの試合を見てると、男子って飛んでる時間が長いなって思った。


走るのもやっぱり早いし。ダメな男子もいたけど。どんなにシュートを狙ってらっても


絶対入らない。私だったらもっとうまくやるのに。


見学だったから時間が長く感じられられた。


ようやく終わって、私が教室に戻ろうとしたんだけど、よくよく考えたら男子が着替えるんだよね。


教室の外で待ってたら、男子がぞろぞろと教室に入って行った。


次の授業で今日は終わりか…。


ぼけ~と教室の外で待ってたら、田所君が声をかけてくれた。


「大原、全員着替えたから入れるよ。」


「ありがとう。」


教室に入ると汗臭い。私は全部の窓を開けて換気をした。


外の空気が汗の匂いを追い出してくれる気がする。


最後の授業は…。最悪。社会だ。


またあの眠気を誘う授業は拷問意外でも何物でもない。


具合が悪いって言って帰ろうかな。でも…。単位が困るしな。


そんな事を考えてたら、先生の方が具合が悪くなって自習になった。


助かった…。


私は当然、社会の自習なんてするつもりはなく日本史の自習をする事にした。


よかった。江戸時代の資料持って来といて。


私が資料から最初の将軍、家康の生い立ちの所を調べていたら、田所君が私の席に来た。


「へぇ…。大原、日本史好きなんだ。」


「う、うん。」


「俺は世界史派。」


「日本を知らずして世界は語れないでしょ。」


「一理あるな。だからか。山田にくっついてるの。」


「山田先生って面白いって思わない?」


「まぁ、普通の先生よりは面白いな。」


井上君より田所君の方が話しやすいな。歴史好きってとこが同じだからかな?


視線を感じたからそっちの方を見たら井上君が私達を見てる。


そして私を手招きした。


「何?」


「田所と何話てんの?」


「私は日本史が好きだけど、田所君は世界史の方が好きだって言ってたからその話。」


「ふ~ん。」


「もういい?私、調べ物があるから。」


「帰り、先に帰るなよ。」


その声は少し大きく皆の視線が私達に注がれた。


そんな事言うと付き合ってるみたいに思われちゃうじゃない。


私は小声で、


「そんな事は大きな声で言わないで。皆に誤解されるでしょ。」


「それが目的だから。」


この知能犯。