午後の授業に体育があった。私はお母さんからの電話で見学になった。
…。やっぱりバスケしたかったなぁ。
男子だけの試合を見てると、男子って飛んでる時間が長いなって思った。
走るのもやっぱり早いし。ダメな男子もいたけど。どんなにシュートを狙ってらっても
絶対入らない。私だったらもっとうまくやるのに。
見学だったから時間が長く感じられられた。
ようやく終わって、私が教室に戻ろうとしたんだけど、よくよく考えたら男子が着替えるんだよね。
教室の外で待ってたら、男子がぞろぞろと教室に入って行った。
次の授業で今日は終わりか…。
ぼけ~と教室の外で待ってたら、田所君が声をかけてくれた。
「大原、全員着替えたから入れるよ。」
「ありがとう。」
教室に入ると汗臭い。私は全部の窓を開けて換気をした。
外の空気が汗の匂いを追い出してくれる気がする。
最後の授業は…。最悪。社会だ。
またあの眠気を誘う授業は拷問意外でも何物でもない。
具合が悪いって言って帰ろうかな。でも…。単位が困るしな。
そんな事を考えてたら、先生の方が具合が悪くなって自習になった。
助かった…。
私は当然、社会の自習なんてするつもりはなく日本史の自習をする事にした。
よかった。江戸時代の資料持って来といて。
私が資料から最初の将軍、家康の生い立ちの所を調べていたら、田所君が私の席に来た。
「へぇ…。大原、日本史好きなんだ。」
「う、うん。」
「俺は世界史派。」
「日本を知らずして世界は語れないでしょ。」
「一理あるな。だからか。山田にくっついてるの。」
「山田先生って面白いって思わない?」
「まぁ、普通の先生よりは面白いな。」
井上君より田所君の方が話しやすいな。歴史好きってとこが同じだからかな?
視線を感じたからそっちの方を見たら井上君が私達を見てる。
そして私を手招きした。
「何?」
「田所と何話てんの?」
「私は日本史が好きだけど、田所君は世界史の方が好きだって言ってたからその話。」
「ふ~ん。」
「もういい?私、調べ物があるから。」
「帰り、先に帰るなよ。」
その声は少し大きく皆の視線が私達に注がれた。
そんな事言うと付き合ってるみたいに思われちゃうじゃない。
私は小声で、
「そんな事は大きな声で言わないで。皆に誤解されるでしょ。」
「それが目的だから。」
この知能犯。