今日は久しぶりに泊まっていくって言ってた。
「明日、休みなの?」
「じゃないと泊まれないだろ。」
私達は狭いシングルのベッドでくっつきながら話をした。
「ねぇ、水曜日に休みを取る事、どうなった?」
「たぶんだけどオッケーはもらえそう。」
「私の方が厳しくなってきたなぁ。ほら、今日高杉さんとひと悶着あったでしょ?
あの人が許すとは思えないんだけど。」
「俺はあいつが職場放棄するとみたね。」
「そこまでする?」
「プライドだけは高いから。その新人に殴られたってのが自分的にも許せないと思うよ。」
その晩はカップルらしい夜を迎えて、遅番だった私はゆっくり彰君を朝を迎えた。
朝ごはんを作ろうと思ったら本当に冷蔵庫には何も入ってなかった。
昨日、冷蔵庫を開けた時は、ただひたすら水が飲みたかったから気が付かなかった。
「彰君、買い物行くけどどうする?」
「たまには俺が作ってやるよ。スーパーも一緒に行こう。」
私達はお隣にあるスーパーに手を繋いで行った。
このアパートにしたのも隣にスーパーがあったからなんだよね。
彰君は色々吟味しながら、食材を買っていた。
…。だけど量が多くない?
「彰君、なんか量多くない?二人分だったら多いよ。」
「しばらく来れないから、その間の佳那の食糧。」
「ごめんねぇ。」
「いいんだよ。今んとこ俺の方が給料いいんだし。」
再び私の部屋に戻って、彰君がもうお昼に近かったけどご飯を作ってくれた。
相変わらずだけど、彰君って料理も上手だなぁ。
私より上手かも。
彰君がテーブルに並べてくれたご飯は私が作るより豪華だった。
「完全に私が料理の腕、負けてる…。」
「佳那も主婦になるにしろ、働くにしろ料理は覚えろよ。俺だって仕事から帰ってまで料理はしたくない。」
「は~い。頑張ります。」
「料理長の長澤さんいるだろ。」
「うん。」
「言えば親切に家庭料理教えてくれるぞ。」
「そうなの?なんだか怖そうなイメージだったけど。」
「人を見た目で判断すんな。」
「じゃぁ今日にでも聞いてみようかな。あっ、今日長澤さん休みかも。」
「いつでもいいんじゃないか?」
「早い方がいいかなって思ったの。」
「そのやる気は認めるよ。」
そう言いながら二人で彰君が作ったご飯を食べた。
食べた後に私は仕事に行く為に着替えて、彰君も帰る準備をした。
玄関で軽くキスをして、
「じゃぁ、次の休みにね」
って別れた。私は自転車だったし、彰君は自宅まで歩きだから。