Tomorrow is another day 第2章 始めからの方はこちらから
中島は自宅に帰ると、少なくとも足の踏み場位は片付けようと掃除をした。
30分程でビニール袋2つがパンパンになってしまった。
それでも先程よりは、いくらかマシになり麻子に電話をした。
「俺。」
「あのね・・・。『オレオレ詐欺』じゃないんだから、名前位言いなさいよ。」
「どうせ判るだろ。」
「ハイハイ。もう家?」
「あぁ、俺なりに少しは掃除した。」
「じゃぁ、今から行くから。それと優人さんにはあなたのウチに行くのは言ってあるから。
あなたからも電話しておいて。」
「そうだな。誤解されたら困るもんな。」
中島は麻子に言われた通り、優人に電話をした。
「中島だけど。」
先程、麻子に『名前位いいなさい』と言われたので一応名乗った。
「あ、中島さん。今日の出勤はどうですか?」
「会社の皆が心配してくれて昼であがったよ。」
「それがいいかもしれませんね。さっき麻子さんから電話がありました。
中島さんの家に行って掃除と食事の準備をするって。」
「そうなんだ。なんだか悪いな。いつまでも麻子を借りて。」
「『借りて』って物じゃないんですから。中島さんだってまだ本調子じゃないんですからしょうがないですよ。
こうやって二人から連絡があるって事は前みたいな事はないでしょうし。」
「それはありえね~よ。飯作ってもらったら、丁重に帰ってもらうよ。」
「わかりました。じゃぁ、僕はまだ仕事がありますので、これで。」
「悪かったな、仕事中に。」
「気にしないでください。」
そう言って二人は電話を切った。電話を切った時にインターフォンが鳴った。
おそらく麻子だろうと思ってカメラを見たら千夏だった。