Tomorrow is another day 第2章 始めからの方はこちらから
優人の父親に弁護士の知り合いがいたので、翌週相談に行く事になった。
だが、弁護士の返答は期待に答えられる様なものではなかった。
「う~ん。確かに陰湿なやり方ですけど、ご両家で結婚は決まったんですよね。
これが結婚が破談になったのなら、損害賠償を要求する事はで出来ますが、
こんな言い方は失礼かと思いますが、極端な嫌がらせですから。
裁判になっても不利ですね。」
警察に弁護士に相談したら有利になるかもしれないと言われただけに
がっかりしてしまった。
「じゃぁ、どうしたら、あの方々からの嫌がらせに対応出来るんですか?」
「そうですねぇ。例えば、山下さんや小林さんの職場にまで、この封筒を送りつけて
お二人が職場にいられなくなったりしたら、出来ない事はないですけど。」
「それは困るわ。今の職場にまでこんな物送られたら大変だもの。」
「麻子さん、ここはあの二人が諦めるまで待つしかないよ。」
弁護士も麻子の実家に送られてきた封筒を手にして、
「おそらく、これはコピーではなく原本でしょう。もう職場などに送る事はないと考えられます。」
「じゃぁ、中島さんに連絡する必要はないわね。だって今、奥様に連絡なんてしたら
もっと酷い事をされるかもしれないんだもの。」
優人の父親は、
「とんだ無駄足だったな。しかし、あの連中が諦めるとは考えにくいんだが。」
「ここまでやったら気が済む事を祈るだけだよ。」
優人の父親の弁護士は、
「知らない仲じゃないんだから、相談料はいいよ。まぁ、今回の事は災難だったな。」
と、父親の肩を叩いた。
「悪いな。」
こうして優人の父親と、優人、麻子は封筒を持って法律事務所をあとにした。