Tomorrow is another day 第2章 始めからの方はこちらから
ようやく中島が連絡をしてきたのは1週間後だった。
「俺。悪かったな、遅くなって。」
「いいの、納期前は忙しいのは知ってるから。」
「今日なら時間取れるけど。」
「じゃぁ…。『SNOW living』って知ってる?」
「前に山下君と話事があるところだろ?」
「そこで待ってる。何時頃来れる?」
「1時間後位かな。」
「判った。」
『SNOW living』にいた中島は私服でどことなく、くたびれた服を着ていた。
煙草をふかしながら、指でテーブルを叩き落ち着かない様子だった。
「おまたせ。」
「おう。なんだよ話って。」
「あなたには優人さんの事で助けられたわ。」
「俺はお前の相談に乗っただけだけどな。」
「それだけじゃないでしょ?」
「まぁ…。山下君がショックを受ける事はしたな。」
「それで優人さんと話し合ったの。あなたには感謝している。でもやっぱりこれ以上
あなたとは付き合えない。」
「俺の予想通りだな。山下君と結婚するのか?」
「判らない。優人さんのご両親がどこまで私達の事を知っているかも判らないし。」
「そうか。でも、万が一、山下君のご両親がお前との結婚に反対したら、俺との事を考えてくれないか。」
「優人さんがダメならあなたって訳にはいかないわ。」
「一応、考えてくれって事だよ。」
「…。」
「話はこれだけか?」
「えぇ。」
「じゃぁ、俺行くから。」
中島は煙草を灰皿に押し付けると、伝票を持って店を出て行った。