Tomorrow is another day 第2章 29話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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翌朝、二人で朝食を取ってる時にエリーが優人の足元に来た。


猫アレルギーのはずの優人がエリーを撫でてもくしゃみは出なかった。


「ようやくエリーとも仲良くなれたかな?くしゃみもで出なくなったし。」


「良かったわね。」


「入籍は中島さんとの事がはっきりしてからしよう。それまではエリーと麻子さんと家族になろう。」


「そうね…。」



二人が出社してから、麻子は昼休憩の時に携帯から中島に電話をした。


「もしもし。」


「麻子か。珍しいな、今までは公衆電話からだったのに。」


「もう、優人さんには隠し事をしたくないから。」


「そっか…。」


「それでね、本当に『今さら』なんだけど、会えない?話したい事があるの。」


「それは朗報か?」


「会ってから話す。」


「判った。だけど、明後日までに納品しなきゃいけないソフトがあるんだ。ちょっと時間が


取れないから、こっちから電話してもいいか?」


「うん。納期前って忙しいのは知ってるから。」


「じゃぁ、今度。」


中島は麻子の返事を聞く前に電話を切ってしまった。


本当は麻子が自分ではなく優人の方を選んだと思ったから、『納期前』と嘘をついて


会うのを避けていた。


電話を切った中島は、


「俺の負けか…。」


麻子の携帯番号を見ながらつぶやいた。