Tomorrow is another day 第2章 始めからの方はこちらから
翌朝、二人で朝食を取ってる時にエリーが優人の足元に来た。
猫アレルギーのはずの優人がエリーを撫でてもくしゃみは出なかった。
「ようやくエリーとも仲良くなれたかな?くしゃみもで出なくなったし。」
「良かったわね。」
「入籍は中島さんとの事がはっきりしてからしよう。それまではエリーと麻子さんと家族になろう。」
「そうね…。」
二人が出社してから、麻子は昼休憩の時に携帯から中島に電話をした。
「もしもし。」
「麻子か。珍しいな、今までは公衆電話からだったのに。」
「もう、優人さんには隠し事をしたくないから。」
「そっか…。」
「それでね、本当に『今さら』なんだけど、会えない?話したい事があるの。」
「それは朗報か?」
「会ってから話す。」
「判った。だけど、明後日までに納品しなきゃいけないソフトがあるんだ。ちょっと時間が
取れないから、こっちから電話してもいいか?」
「うん。納期前って忙しいのは知ってるから。」
「じゃぁ、今度。」
中島は麻子の返事を聞く前に電話を切ってしまった。
本当は麻子が自分ではなく優人の方を選んだと思ったから、『納期前』と嘘をついて
会うのを避けていた。
電話を切った中島は、
「俺の負けか…。」
麻子の携帯番号を見ながらつぶやいた。