Tomorrow is another day 40話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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マンションのボタンを押すとすぐに優人が出て


『合鍵で入ってもいいのに。』


『最初だから、まだ慣れなくって』


マンションの入口でインターフォン越しに二人は話した。


心配気に優人は部屋に麻子を招き入れた。


「ホント、遠慮なく入っていいのに。」


「ありがとう。次からはそうする。」


「それで何があったの?」


報告するか迷ったが、優人も麻子の編集部に


出入りしている所だったから、


絶対に同僚にからかわれると思って報告する事にした。


「会社の新人の女の子が私が誰かと付き合ってるって気付いたの。」


「若い子はそういうの敏感だからね。」


「質問、質問の繰り返しでその子にだけ、こそっと話したの。


優人さんと付き合ってる事。」


「うん、それで?」


「その子が大声でびっくりしちゃって、結局あなたと付き合ってる事が


編集局中に広まったの。」


深刻な悩みだと思っていた優人は意外な顔をして、


「別にいいじゃないかな。」


「だって優人さんはうちの編集局にも出入りしてるでしょ。


絶対からかわれるわよ。」


「だって僕達、別に悪い事してる訳じゃないんだから大丈夫だよ。」


「皆にからかわれるのって恥ずかしくない?」


「麻子さんは心配性だなぁ。大丈夫だよ。皆、そのうち忘れるよ。


麻子さんの編集局は忙しいじゃない。僕達の事なんて気にしないよ。」