真里の大声のおかげで、他の編集者も集まってきた。
「どうしたの、真里ちゃん。小林さんもデスクに頭乗っけちゃって。」
「それが~。」
真里は嬉しそうに話そうとする。
「真里ちゃん、ここだけの話って言ったでしょ。」
「もう無理ですよ。皆興味深々だし。」
「それは真里ちゃんが大声出したからでしょ…。」
「すみませ~ん。すっごくびっくりしたから、ついつい。」
ここまで来たら、皆にバレてしまうのは仕方がなかった。
嬉しそうに真里が皆に報告する。
「こないだウェディングドレスのサロンに取材に行ったじゃないですか~。」
(なんで最近の子って語尾を伸ばすの…。)
すでに真里の行動に呆れてしまった。
「麻子先輩、そこの店長さんと付き合ってるですって。」
その真里の報告に同僚達がざわめく。
「小林さんは仕事が恋人みたいな所あったけど、
いつの間に付き合い始めたの。」
「小林さんも隅におけないなぁ」
(まだ優人さんと付き合い続けるかどうか自信がないのに…)
思わずため息をついてしまった。