カメラのシャッターでライトがどんどん光る中記者会見は始まった。
私はこんな事初めてだから硬直してしまった。
するとテーブルの下で光が手をギュッと握ってくれた。
テーブルはテーブルクロスで覆われていたから
記者の人には判らないはずだった。
「どうゆうきっかけでお知り合いになったんですか?」
「僕がハシャギ過ぎて叱られたのがきっかけです。」
「ちょっと、そんな事言わなくてもいいんじゃないの?」
「だってホントの事だろ?」
光は肩をすくめながら私にいたずらっ子の様に笑った。
もうちょっと、紗由理のパーティで知り合ったとかあるとと思うけど。
「叱られたとは、江川さんは何をしたんですか?」
「いやいや、僕が常識がなかっただけですよ。
それを正面から言ってくれたのが彼女です。
今までいませんでした。
正面向かって僕に常識を教えてくれる女性は。」
「だから惹かれたと?」
「それだけじゃないですが、彼女は強そうですがとても純粋です。
その辺りにも惹かれました。正義感も強いですしね。」
「なるほど。紺野さんは江川さんのどの辺に惹かれたんですか?」
私はドキッとした。なんにもしゃべる事が見つからない。
光の手をギュッと握る。