OLと女優 第2章 19 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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叫んだ声で光は目を覚ましたが、私は気を失った。


「友梨香!」


私がリビングに倒れ込む前に光か私を抱きとめた。


紗由理は私の叫び声に部屋から


着替えも半分途中の様子で飛び出て来た。


「どうしたの?!


武内さんは戸惑った様に、


「いや、声をかけたら『来ないで』と叫んで倒れたんだ」


光は台所の包丁を素早く見つけ、


「武内さん、友梨香に包丁を向けて話しかけませんでしたか?」


緊迫した顔で私を抱きかかえたまま聞いた。


武内さんは一瞬ムッとした声で、


「そんなに接近してないぞ。


友梨香ちゃんはリビングだったし、俺は台所にいたぞ。」


「それでも、友梨香にとっては恐怖だったんです、気を失う程。


今日、会社であったある事のせいで…。」


光は私の首筋に顔を埋め強く抱きしめた。


紗由理は、着替えを済ませ、


「やっぱり何かあったのね。」


「なんでわかるんだい?紗由理ちゃん。」


「だって涙の痕があったもの。


強気な友梨香が泣くなんてよっぽどの事があったんでしょ?」


紗由理は光に訳を求めた。