そう言うとまた玄関先に戻り勢いよく開け、
「ただいま~!」
と、わざと私達の目を覚まさせた。
私はハッと光に寄りかかっている事に気付き
パッと離れて何事もなかった様にした。
「おっおかえり。あ、武内さんも一緒だったんですね。今、帰ったの?」
私は光の胸で眠ったのを見られていないか、
少し気恥しくなりつつ聞いてみた。
紗由理はきょとんとして、
「何言ってるの?今、帰ってきたから『ただいま』って言ったんじゃない。
それとも、見られたくない事でもしてたの~?」
紗由理は指をヒラヒラさせながら私に近づいて来た。
「ううん。まさか。光が熟睡してるからそう思っただけ。
私は部屋にいたしね。」
私は軽く嘘をついた。