「…貴方のお母様はまだ、お元気なの?」
光は寂しそうな顔をして、
「僕がこんな仕事をしているから、中々帰ってあげられないけど、
元気みたいです。この世界に入る事を進めたのも母ですし。
母には感謝してます。」
母は光の顔をじ~っと見つめ、
「貴方、友梨香とお付き合いしてるって言ったわよね。」
「は、はい」
「ちゃんと、将来の事を考えてるの?芸能界ってよくわからないけど、
スクープされたりしたら、記者に追いかけられるんでしょ?
そういう所もちゃんと助けてあげられるの?」
「…。将来の事は考えてます。
でも、スクープされたら僕1人では何も出来ないと思ってます。
友梨香さんと力を合わせて生きていきたいと思ってます。2人で。」
そう、光が力強く言い切った時、上杉さんが到着した。
「夜分遅くにすみません。江川 光のマネージャーの上杉と申します。
江川に言われて、スーツ一揃え持って来ました。」
そう言う上杉さんの顔には疲労の色が浮かんでいた。
それもそうだろう。いきなり数少ないオフの日に夜中に呼び出されたのだから。