OLと女優 第2章 2 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

2人に頭を下げられた形になった母は、少し躊躇した様に、


「しょ、しょうがないわね。1時間だけよ。


言っとくけど江川さんはうちに泊めませんからね。」


「お母さん!」


「だってそうでしょう。


こそこそ人の家にやってきて泊まれるとでも思ってるの?」


「だから、それには訳があるのよ。」


母と私の言い争いにストップをかける様に光が口を挟んできた。


「いいんだ。お母さんの言う通りだよ。


とにかく上杉が来るのを待ってもらおう。」


母は光に『お母さん』と呼ばれた事に過剰反応して、


「貴方に『お母さん』呼ばわりされる覚えはありません。


それとも友梨香とそういう、将来を考えてるの?」


「すみませんでした。とにかく、僕のマネージャーが来るまで待って下さい。


お願いします。」


「それは待ちます。でも話によっては、こちらも考えますからね。わかりました?」


母はキツイ口調で光に宣言した。


「はい。」


スウェット姿だったけれど、光はやっぱりアイドルで芸能人なんだなぁって、


その姿を見て思った。なんと言うか、オーラがあった気がする。


光は本気を出せばちゃんと芸能人なんだな。ちょっと光が遠くに感じた。