OLと女優 88 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

私が黙り込んでしまったので光は、


私の機嫌を損ねたのではないかと思ったらしく、話を逸らした。


「友梨香、明日もDVDの撮影なんだ。友梨香は明日、会社休みだろ?


見学に来ないか?なかなかBLUE MOONのプロモーションムービーの


撮影を見学なんて出来ないぜ。まぁ、同じ事の繰り返しだけどな。」


高田君の事でぐじぐじ考えてるよりいいかもしれない。


それに私は元々、ブルムンのファン。


そんなのが観れるなんて考えもしなかった。私はしばらく考えてから、


「そうね。休みの日にまで貴方達の事で考え込んでるより良いかも。


行くわ。何時にどこに行けばいい?」


「いえいえ、お嬢様。お迎えに参ります。」


光はしらじらしく片足をつき、私の手を取りポーズした。私はその手を払って、


「バカね。誰かに見られたらどうするの。」


「スタッフとかとでも言うさ。その辺は俺だってバカじゃない。


今、芸能記者が俺の彼女を探すので必死なのは知ってるからな。」


「そんな時に大丈夫なの?」


「簡単さ。ここは雄二の住んでるマンションでもある。


スタッフも一緒に住み込んでいるとか、雄二を迎えに来たとか、


色々言い訳は出来るさ。」


「そんな簡単に誤魔化せるかしら。」


「簡単、簡単。一応、明日の雄二のスケジュール、


マネージャーに聞いとくから、後でメールするよ。雄二の事何か聞かれた時、


何も言えなかったらマズイだろ。」