OLと女優 77 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

私は喫煙所で光にメールをした。


『光へ。今日、専務に結婚の報告をしようと思ったんだけど、


非常事態発生で出来ませんでした。ごめんね。訳は会ってから話すから。』


そして、何事もなかった様に仕事に戻った。


午後、新しプロジェクトの会議の時、私の携帯がマナーモードで


メールを知らせた。多分、光からだろう。でも、今は会議中。返信は出来ない。


無視をしていると何度もメールが鳴る。


こっちにはこっちの事情って物があるのを光はまだ理解してくれない。


こういう時、ちょっとイラつく。


まぁ、光も忙しい時間の合間をぬってメールをくれてるんだろうけど。


「皆、会議を続けてて。ちょっと取り引き先からメールみたい。すぐ戻るから。」


私は会議室を抜け出し、光のメールを読んだ。みんな同じ内容で

『非常事態ってどうしたんだよ。俺、会社に行こうか?」


冗談でしょ~!


光が来たら会社中パニックになっちゃう。私は慌てて光に電話した。


「光?会社に来るなんて冗談でも言わないで。


そんな事したらどうなると思ってるの。」


「まぁ、注目は浴びるだろうな。」


「わかってるなら辞めて。」


「冗談だよ。」


光は電話の向こうで笑った。私はそれにもムッとしながら、


「貴方が言うと冗談に聞こえないのよ。」


語気を荒く光に告げた。


それに対して光はのんびり口調で、


「友梨香ちゃん?そんなに怒ってるとせっかくのスーツに


その髪を上げた髪型も似合わなくなっちゃうよ?」


どうして光が今日、私が髪の毛を上げてるのを知ってるの。


「なんで光、私が今日髪の毛上げてるの知ってるのよ。」


私はきょろきょろしながら、無意識に光を探した。