次の日、専務に結婚する報告をする為に専務の部屋へ行こうとしたら、
今年入社の高田君に呼び止められた。高田君に仕事頼んだっけ?
確か、高田君の教育係りは上島さんに頼んでなかったっけ?
高田君は緊張した顔をして、
「紺野部長、今いいですか?出来れば人がいない所で話があるんですけど。」
「いいわよ。仕事の相談?」
「いや…、その…。そうじゃなくて。とりあえずコーヒーご馳走しますから。」
(何かしら?入社して今頃が悩みが出る頃なのよね。その話かしら。)
私達は会社が入っているビルの外の階段に出て彼の話を聞く事にした。
「紺野部長、結婚するって本当ですか?」
「え、えぇ。そのつもりだけど。
今から常務にその報告をしに行く所だったのよ。」
「その事ですけど、俺にも、えっと、俺にもチャンスくれませんか?」
「え?」
「だから、俺は紺野部長は仕事はバリバリ出来るし、
最近なんていうか綺麗になったし、仕事の上でも尊敬してるし、
あ~俺何言ってるんだろ。」