「俺なりに色々考えたさ。
俺のグループ、ブルムンの唯一の既婚者の健に相談もしたさ。」
「健君に私の事話したの?」
「言った。話さないと、相談にならないだろ?」
「で…、健君はなんて言ったの?」
「『強気で行け』だって。婚姻届けを出してしまえば、
事務所も何も言えないからな。事後報告だよ。」
「呆れて物が言えない…。」
私がテーブルに顔を伏せると、
光はレザージャケットのポケットから小さな箱を取り出すと、
その中から指輪を取り出した。そして私の左手の薬指にそっとはめた。
私は呆然とそのダイヤのリングを観ると涙が零れてきた。なんでだろう。
「光、なんで私の指輪のサイズ知ってるの?」
「こないだCaféでアイスコーヒー飲んだだろ?
その時、ストローの袋でさり気なく指のサイズを調べたんだ。
友梨香、気が付かなかっただろ。」
「…うん。」
なかなか外でデート出来ない私達だったから、
その日は光といる事より周りに気がつかれないかばかり気にしてた。
その間に光がそんな事してたなんて気が付かなかった。