「佐々倉さん、今回のドラマは医療をテーマにしていますが、
セリフなど難しい点はありませんか?」
「そうですね。医学の専門用語ですし意識して撮影には挑んでます。」
「その中でもライバルとなる、中村 亮さんとは
ラブ・ストーリーに発展するのでしょうが?」
「それはどうでしょう。基本的に医療をテーマにしているので…。
こればっかりは監督じゃないと分からないですね。私も楽しみにしてます。」
「ところで、佐々倉さんにはお付き合いしている
男性がいるとの噂があるのですが…。」
そこへマネージャーが横から口を出した。助かったぁ。
「はい、今日の取材はここまででお願いします。」
「ちょっと待って下さい。取材は途中です。」
記者の人がマネージャーの肩を押しのけて私に詰め寄ろうとする。
私は、にっこり笑って、
「素敵な男性がいたら紹介して下さいね。」
(ホントは龍雄さんと言う素敵なダーリンがいるんだけどね。
ごめんね。ホントの事は言える訳ないじゃない。)
内心そう思いながら取材を切り上げた。
いちいちホントの事を言ってたらきりがないわ。特にこの世界は。
その後、撮影だと思っていたら監督があまりに私が噛むから、
体調が悪いんだろうって誤解して私の出番は無くなった。
こんなんじゃダメだ。そのうちドラマのお仕事が来なくなっちゃう。
明日からしっかりしなきゃ。家に帰ると友梨香ちゃんもすでに帰っていた。