私は芸能人のカップルの先輩でもある紗由理にデートの方法を聞いてみた。
「ねぇ、紗由理は龍雄さんとどんなデートしてるの?」
「ん?普通に街中を手を繋いで歩いたり、テーマパークに行ったりしてるよ。
別に変装もしてないし。変装する方が群がってくるもんだよ。」
「…はぁ。でも、私と光さん」
「いい加減『光』でいいんじゃない?」
紗由理は呆れながら私を見た。すると光は、
「なになに?俺の事、俺がいない時『光』って呼んでくれてたの?
すっげ~嬉しい。じゃぁ、俺も堂々と友梨香って言ってもいいよね。」
私の周りでぴょんぴょん跳ねている。私は額に手をあてながら、うなだれた。
光ってこんなに賑やかな人だったっけ?
コンサートでは一番歌が上手でソロパートが多くて、
クールなイメージがあったのに。
まぁ、徐々に慣れていこう。改めて紗由理に向かって、
「でも…えっと…光と私は芸能人と一般人だから、
その手は使えないんじゃない?」
「何言ってるんだ。別に悪い事をしてる訳じゃないんだから、堂々といこうぜ。
さっ、どこ行きたい?どこどこ?」