その私に沙緒理が決定打を話した。
「あのね、光君、友梨香が部屋から出て来るまで、
ず~っと毎日、うちに遊びに来てるんだよ。
そして夜の10時になったら帰るの。女の子が住んでる部屋だからって。
毎日、来てたらフォーカスされちゃうかもしれないのにね。
私とは何にもないんだよ。ただ、お茶したり芸能人同士の愚痴を言い合ったり、
ファンの皆のありがたさを話したりしてるだけ。
でも光君からは友梨香が出て来て欲しいなんて話は全然しないよ。
きっと、友梨香ちゃんが自分で考えに決着して部屋から、
出てくるのを待ってるんだね。」
知らなかった。いつも賑やかだな、
とは思ってたけどまさかあいつが来てたなんて。
賑やかにだけど、
じっと私を待っててくれてた事を考えると涙がポロポロ出てきた。
やっぱり私、あいつの事好きなんだ…。
「友梨香ちゃん?」
「私…、やっぱり光が好きみたい」
初めてあいつの事を名前で呼んだ。少し照れくさかったけど自然に出てきた。