「っ…」
「友梨香ちゃん、雄二君に握手してもらっても全然嬉しそうじゃなかったもん。
光君の事を考えたんでしょ?」
「誰があんな奴の事なんて…。」
「でも、うちでは芸能界の話はしないってルールだったのに、
最近友梨香ちゃん、光君の話がちょくちょく出るよね。」
気が付かなかった…。
「…ごめん」
うつむいた私の肩に手を置いて、
「謝らなくていいの。ねぇ、もしかしたら友梨香ちゃんも光君の事、
好きなんじゃないの?」
「そんな訳ないじゃない。あんなに振り回されて、
何を考えてるか分からない奴の事なんか。」
ドキリとした。いつの間にかいつもあいつの事を考えてる
私がいる事に今さら気が付いたから。
「だから、だよ。何を考えてるか分からないから気になるんじゃないの?
私から見たら2人の会話はとても楽しそうだったけどなぁ。」
紗由理は嬉しそうに、すでに私達は付き合うべきだと私に言った。
…そんな事言われても困る。気持ちは正直、
あいつに傾いてるかもしれないけど。