泣きつかれて私はいつの間にか眠っていた。
紗由理小さな部屋の扉を叩くノックで目が覚めた。
「友梨香ちゃん?今、いい?皆、帰ったよ。
雄二君がいる時に声をかけた方が良かった?友梨香ちゃん?」
「ううん。別にいいよ、入っても。それに雄二君には握手までしてもらったし。
ちょっと、話そ。」
紗由理はすでに普段着に着替えていて、おずおずと私の元にやってきた。
紗由理はストンとベットに座り、
「もしかして、寝てた?」
私の顔を見るなり指で私の頬を指しながら笑った。
「なんで判るのよ~。」
「顔に枕カバーの痕が付いてる」
そういえば今日の枕カバーはワッフル生地の物だから、
うつぶせに寝ていたら、顔に痕がつくはずだ。
私は頬を痕か消える訳でもないのに、頬を撫でながら、
「うっさいな~。」
と照れ隠しをした。そして、さらに照れ隠しをする様に私は、
「この~、何しにきた。こら、正直に言え!」
笑いながら、紗由理の首を後ろから体ごと抱きしめた。
でも紗由理はそんなおふさげに乗ってこらず、
ゆっくりと身体を上げると私をじっと見、
「友梨香ちゃん、ホントは雄二君は単純にファンであって、
恋人とかになりたい訳じゃないんだよね。
光君も彼女扱いされるのって嫌なんじゃない?」