OLと女優 38 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

「だから言ったじゃない。光君は友梨香ちゃんの事が気に入ったって。


ありえない事じゃないよ。一般の人と芸能人が結婚って。良いじゃない?」


けっ結婚って…。


「だぁかぁらぁ、私は雄二君ファンなの!!


そこまで言うなら、雄二君に会わせてよ。」


「雄二君に会ったら光君との交際を認めるの?」


「それは…、それは会ってみないと分からないわ。」


なんだか私、ムキになってる気がする…。


あの時のキスも目を閉じそうになったし…。武内さんが、私の様子を見て、


「わかった、じゃぁ雄二も呼ぼうじゃないか。


ついでにブルムンのメンバー全員呼ぶか。」


武内さんはロックミュージシャンらしく、派手に事を進め様としていた。


それを紗由理が、


龍雄さん、それじゃぁ友梨香が目を回しちゃう。


元々から普通のブルムンのファンだったんだから。


それがいきなり、新聞で、光君の彼女扱いされたり、


うちでだったけどキスされたりで、光君に振り回されてるんだから、


メンバー5人が来たら、尚更目を回しちゃうわ。


だから、その案はダメよ。雄二君、1人が来るならともかく。」


えぇ、ホントに来ちゃうの?言ってみただけなのに。


えっと、今日はもうお風呂に入っちゃったから、


今日はパスとして、明日以降にしてもらう。


「ね、ねぇ、紗由理。まさか今日雄二君を呼ぶ訳じゃないわよね。」


「今から電話するつもりだけど?」


「だめ~。私、お風呂入っちゃったし、すっぴんだし、スウェットだし、絶対ダメ。」


「でも雄二君、このマンションの2つ、上なんだよね。すぐ来ちゃうよ。


それに龍雄さんが、すでに電話してるし。」


紗由理はケロリととんでもない事を言ってくれた。


マンションが同じ?すでに電話した?2階上?…。


もうダメだ…。ついていけない。って落ち込んでる前に雄二君が来る前に


普通の副に着替えて、軽くメイクもしなきゃ。あぁ、せっかくお風呂に入ったのに。


私がジタバタしたると玄関のチャイムが鳴った。雄二君だった。


私はファンなのにスウェット姿で初対面する事になってしまった。


しかも、すっぴんで。最悪。