「紗由理、その記事に書いてある事なんて何もなかったのよ。
ただ、コンビニで買い物をしただけ。
まぁ、江川さんがちょっかい出してきたけどね。」
「ちょっかいって?」
「チョコはどっちが美味しいか、とか…。一緒に帰ろうとか…。
今、思えば一緒に帰ってくれたのは夜だったから心配してくれたんでしょ。」
「…。」
「ね、紗由理。何にもなかったでしょ。」
「友梨香ちゃんは分かってない。
光君が1人の女の人にそこまでするなんて、なかなかないことだよ。
光君、きっと友梨香ちゃんの事が気に入ったんだよ。
ここのアパートも写真撮られてるし、早く引っ越そう。」
はぁ?私があの江川 光に気に入られた?
なんでよ。あれだけひと悶着あったっていうのに。それに、待って。
紗由理が引っ越すって事はセキュリティがしっかりしてるマンションだ。
そんな家賃の高い所、今までみたいに
家賃を紗由理と半分づつ出来ない。
この記事が出たのがいい機会かもしれない。
もう紗由理とは一緒に住めないな。