After15-20 years -6ページ目

再び・・・

これからの数週間。
どう考えても、
 逢う時間を作れないね。


今までに何度もあったことだけれど、
 そのたびにイレギュラーデートをしてきたけれど、
今回だけは、無理みたい。


逢えない日々は、
 メールで想いを届けよう。
 深夜の電話で存在を感じよう。


それでも、
 逢いたさに耐えきれなくなったのなら、
2人で深夜徘徊をしようね。

休日出勤の後で

思うように仕事がはかどらずに、
 逢えたのは、
 午後になってから。


最近のデートは、
 高速に乗って、
 この街を出ることから。


一昔以上も前に、
 全盛を極めていた老舗のパスタ屋は、
マスターも代わり、
 メニューも変わったけれど、
雰囲気の良さと、
 味の良さは変わっていなかった。


ビールを飲む彼女が、
 珍しくうっすらと
 頬をピンク色に染める。



それから、
 得意のあてのないドライブ。


車通りのほとんど無い山の中。
車を駐めて、
 後部席で、
 お互いの温もりを感じ合っていた。


この先どうなるかは、
 まだ2人とも見えてはいないけれど、
大切な存在であること、
いつまでも側にいてほしいこと、
いつまでも側にいたいという気持ちは、
 この先も持ち続ける感情・・・。


彼女を優しく抱きしめながら、
 ときおり力一杯抱きしめたり、
 熱いキスを交わして、
存在の重みを感じていた夕方。

ワイン

夕食は、
 雑木林の中に、
 ポツンと灯りをともしている
 郊外のちっちゃなイタリアンレストランで。


「ワイン飲んでもいいよ。」と言うと、
「うん、いただくね。」と
運転する僕を気づかいつつも、
 嬉しそうにオーダーする。


ワインを飲んでいる彼女を見るのが、
 大好き。
僕と一緒にいて
 心からリラックスしているのが分かるから・・・。


料理をシェアしながら、
 時間をかけて、
仕事の話を織り交ぜながら、
 ゆったりとした時間に身をゆだねる。


「これ作れる?」と彼女。
「にた味は出せると思うけれど・・・」と僕。
いつの日にか、
 毎晩のように、
あなたにご飯を作れたらいいのにね。



空一面に広がる星空。
 車を駐めて、
 肩を抱いて髪をなで続ける。


キスはワインの味。

心地いい渋滞

珍しく、

 公共交通機関で出勤してきた彼女。


気になっていたので、
 やっと仕事の目途が立った夕方に、
 彼女の携帯へメール。

私的な用件での内線利用は、
 気がひけるから。
それに周りの人に聞かれるのが嫌だから・・・。


一足先に駐車場で待つ彼女を
 近くの駅まで送る。

そのまま食事に行けたらよかったのだけれど、
 彼女の体調が優れないようなので、

 今夜は、駅までのデート。


渋滞も心地よかった。

手を繋ぎながら、
 今日の出来事をたくさん話せたから。

想い

あなただったんだね。
 やっと出逢えたんだね。


全く気がつかなかった・・・。
 探し続けていた人が、
 あなただったなんて。


今まで起こってきた全てのことが、
 あなたとの出逢いに繋がっていたなんて。


あなたと出逢うために、
 僕の今までがあったんだなんて。


ずいぶん時間がかかたけれど、
 出逢えて嬉しい。
 出逢ってくれてありがとう。


だから、
ずっと側にいてね。
 大切にしていくから。

長い1週間

お互い仕事に追われて、

 やっと時間がとれた週末。

それでも、

 ノートPCを抱えてのデート。


まずは、

 彼女の仕事を手伝う。

メールや電話で、

 どのようなものを作りたいのかを聞いていたので、

ある程度は作っておいた。


身体を寄せて、

 1つの画面を見ながら、

彼女のイメージをさらに形にしていく。


時には 笑い、

 考えたり悩みながら、

できあがったプレゼンテーション。


2人でなら、長い時間も 

 あっという間のように感じる。


久しぶりに楽しく思った仕事。

お好み焼き

その街では、
 そこそこ名の知れたお店。


十数年前には、
 近くの女子高生や、
 ゼミ帰りの学生で賑わっていたのに、
今では、
 いつ行っても空いている。


いつも作ってばかりいる彼女に、
 僕が作って、
  彼女がただ座って待ってもらえるのは、
お好み焼きぐらいしか思いつかなかった。


僕の手元を嬉しそうに見つめる彼女の横顔を見ているだけで、
 とても幸せな気持ちになる。



広い店内に、たった2人のお客さん。
自宅の食卓のように、
 くつろぎながら食事をしてきた。

懇親会の後で

数ヶ月ぶりの2人でのお酒。


それぞれ別の懇親会を、
 1次会で抜け出し、
人目に付かないように郊外へ。


民家を改造した昭和の香りの
 こぢんまりしたバーで、
一本のワインと少しのおつまみ。


年が明けてからは、
 数日おきに逢っているけれど、
こうしてお酒をゆっくり飲んでも、
 話題が尽きないのが不思議。


その後、
 もう一件の店に。

彼女はビール、
 僕はバーボンのロックの、
いつものスタイル。
  

人通りがほとんどなくなった深夜の街を、
 手を繋いで、歩く。
時折立ち止まり、
 柔らかい彼女の唇を感じながら。

深夜徘徊?

飲み会帰りの彼女を迎えに行くために、
 家を抜け出し、車を出す。

気分は中高生の深夜徘徊。
 親が寝静まった頃に、
 そぉ~っと家を抜け出すのと同じ。


何度か迎えに来てもらったことはあるけれど、
 こうして迎えに行くのは初めて。


車がほとんど通らない横道に駐めて、
 僕の肩にもたれる彼女の髪を、
 なで続けていた。


不意に涙を流す彼女のまぶたに、
 唇を時折当てて。


「もう、あなたは帰らないと・・・」
抜け出してきた家を心配する彼女の声。
「大丈夫。コンビニで飲み物を買って来たって言えるから。」


少し遠回りをして、
 彼女を送った。




おやすみCALLが、
 この日の締めくくり。

柔軟剤

あなたが愛用している柔軟剤。


お店で見つけ、
 自分の洗濯物に使っている。
主夫のなせる技・・・。


これで衣服を仕上げると、
 いつでも側にあなたがいるようで、
 穏やかな気持ちで過ごせる。


これでシーツや布団カバーを仕上げると、
 あなたに包まれているようで、
 柔らかい眠りになる。


あの海外出張の日々を
 思い出す香りであったけれど、
今は、
 愛しさをつのらせる香り・・・