「円安が本格始動」 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~





円売りが強まりカナダドル以外のクロス円が昨日は全面高となりました。
まだ市場では半信半疑のところが多くみられますが、だからこそまだ上昇余地が多いといえます。円売りの背景には欧州債務懸念の後退や米国景気回復期待、そして円高への介入期待などがみられました。そして、昨日のソフトバンクの大規模米企業買収が円安を決定づけました。ドル円は78円後半ではあるものの史上最安値の75円32銭から4円も上昇していません。いつまた最安値を更新してもおかしくはないレベルです。実際、円高がまだ続くとの見方を唱えている金融機関のアナリストは多くいます。1985年のプラザ合意以来というのは少し大袈裟ですが、円高を唱えていればまず間違うことはありませんでした。そのイメージ―が依然として残るのは当たり前といえます。だからこそ市場の円ショートポジションが溜まりにくいとも言えます。じりじりと円安が進むパターンが始まったように見えます。今後の道中では円高に振れる時に底が切り上がるのを確認できれば上昇速度がアップしてくるときとみます。クロス円でもまだ上抜けしたわけではなく、ここで円安が本格始動とみるのはリスクが高いものの、その時の準備をしておけば乗り遅れることはありません。
昨日発表された米9月鉱工業生産や消費者物価指数は予想を上回るものでした。また、主要企業の好決算などから先週まで下落が続いたNYダウも今週に入り連続大幅上昇となりリスクオンの動きが高まります。今日は米住宅着工件数と許可件数が発表され前月よりも改善が予想されます。また、バンクオブアメリカの決算発表など本日も株価を押し上げるようであればリスクオンの動きは更に高まることになりそうです。



<ドル円>
79円付近には実需の売りが並んでいると思われ簡単には抜かせてくれないようです。先日の日銀短観では企業の想定ドル円レートが78円という事もあり実際に売りを並べているとみてよさそうです。しかし、ドル円単独の買いというよりもクロス円の上昇がドル円を押し上げているとみられるだけに、底値は大分固くなったとみます。79円台を試しに行くのは時間の問題と思われますが、売りきりのポジションを引き出すため一時的にドルロングがだぶつき押し戻されそうです。上値は9月19日高値79円20銭付近。下値は昨日と同様に78円65銭付近が強いサポートとみます。


<ユーロ円>
既に朝方から纏まった買いが入り損切も巻き込みながらユーロ円は上昇しています。
明日から始まるEU首脳会議では南欧支援策のとりまとめと伴に財政統合に向けた協議が行われるとの期待もユーロ買いを促進。市場は楽観的なセンチメントに傾き始めています。
既に10月5日の高値102円78銭を超え、パラボリックも昨日買いサインに転換。今日は9月13日の高値103円85銭を試す展開とみます。サポートは102円80銭から60銭。

<オージー円>
今日の朝刊には豪ドルがFXの主役という見出しが掲載され豪ドルの魅力について書かれていました。そのためか、朝からオージー円は上昇。ユーロの上昇に伴い攣られて買いが強まったと思われますが、オージーを買い遅れたことも確かです。79円台は今年6月から何度も跳ね返された強いサポート。一旦は中期的なポジションとしても買いを入れておきたいレベルです。ただ、前回のRBA会合で予想外の利下げを行ったことや貿易赤字の拡大、中国の景気減速などもあり買い控えが目立ちました。ドル円の下落リスクが後退したことや欧州債務問題への取り組みなどからリスクオンの動きが今後もオージーの買いを強めるとみます。ただ、11月の利下げ期待もあり上値もこれまでとは異なりそれ程大きなものにはならないとみます。83円台が今後のターゲットとみますが、その前には81円65銭、82円20銭のレジスタンスを超えなければいけません。