半期スタートで相場の流れに変化は | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~






先月はECBが無制限の国債購入、FOMCでもQE3を実施、日銀も10兆円の追加緩和を決定するなど日米欧が協調して追加緩和を実施しました。市場はそれぞれの効果を見極めようとする動きが強まり不安定な動きが目立ちました。結果的にみるとドルが対円対ユーロで下落しユーロが対円で上昇。即ち、先月の動きだけでみると通貨安はドル、円、ユーロの順番となりました。米国雇用統計の悪化もドルを押し下げたこともありますが、通貨安競争からみるとドルが最も効果を上げたことになります。
今回の追加緩和後の各通貨の動きにはそれぞれ異なる特徴がみられました。ユーロはECBの無制限国債購入により欧州債務危機への懸念が後退しユーロにとっては買い材料となり上昇。FOMCのQE3は雇用の回復基調を加速させるために住宅市場の後押しとして国債を外したMBSの無制限購入のみとなりました。これは、雇用の回復の鈍さを印象つけるものであり、同時に金利の下げ余地がほとんどないということで。そのため、ドル安への反応がこれまでのQE1やQE2と比べて低くなったとも考えられます。
日銀は追加規模に制限を付けたことで他の追加緩和よりも見劣りするもので円買いが進みました。しかし、それだけに今後の緩和余地を残すもので円高の勢いも限定的とみることができます。
今週は日銀短観が1日に発表され、この中で景況感が下振れするようであれば5日の日銀政策決定会合での追加緩和への期待が高まることになりそうです。ただ、その日の夜には米国雇用統計を控え、その前に追加緩和を実施することはこれまでの日銀であればなかったことです。しかし、その前に円高進行が強まるようであれば前回の日銀の時のような意外性の高い行動に出る可能性もありドル円は結局大きな動きにはなりにくいとみてよいでしょう。
今週はFOMCの議事録公開やバーナンキ議長の講演が行われます。ここで更なる追加緩和の可能性を示されればドル売りに反応することになります。また、米雇用統計では非農業部門雇用者数が11万人と予想され、予想を下回るようであればやはりドル売りを仕掛けやすい状況とみます。ただし、QE3は雇用の回復速度を後押しするものであり、その効果は数カ月先となるためドル売りは一時的なものとなりそうです。
また、今週は豪ドルの動きが注目されます。RBA政策会合から始まり貿易収支、住宅着工許可件数、小売売上、そして中国PMIなど豪ドルにとっては重要な週となります。
日本では後期の始まり、海外では四半期の始まりという事から投資マネーが再び動き出します。リスク回避の動きから軟調な地合いとなった先月後半のオージー円が再び上昇に転じるか、クロス円全般の動きを占う上でも注目されます。




ドル円の予想レンジ:79円00銭~77円10銭