ドル円の下落リスクは後退 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~




日銀が追加緩和実施を決定したことを受け円売りの動きが強まったものの、その後は対ドルだけではなくクロス円でも円買いの動きが活発となりました。発表前のレベルを超える円高がここまで進むとは予想外の動きでした。結果的にみると全ての通貨毎にポジションの巻き戻しの動きが強まった格好となりました。ユーロやポンド、そして豪ドルなどに対しドルショートの巻き戻しにより下落。その一方でドル円はロングの巻き戻しからのドルが下落。クロス円でも円が全般に買い戻されるなどポジション調整の動きが目立ちます。
ECBが無制限の国債購入を決定したことでユーロ不安が後退しユーロは上昇に転じました。一方、FOMCでは雇用の顕著な改善がみられるまでMBSを買い続けることでドル売りが進みました。ユーロの動きは債務危機回避の動きが金利相場を凌駕したのに対し、QE3では金利相場を背景にドル売りに反応。市場はこれらの動きに対しどこかで違和感があったと思われます。そして、日銀の追加緩和では最初は金利相場として反応したもののすぐに反転したのはその違和感のためとも考えられます。日米欧での協調追加緩和によりバランスが取れ、結果的にポジションをどちらにも偏らせにくかったという事かもしれません。総合的にみると、これらの協調追加緩和策は世界景気減速を抑えることになり、この動きが一巡してくれば最終的に市場の余剰マネーはリスク商品に向かうとみます。
昨日はクロス円が急落した後に買戻しの動きが強まりました。円高がここまで進むとは予想外で
、ドル円の下落リスクは後退したとみます。ドル円の底値が確認されればクロス円の買いも本格的に始まるとみますが、それにはもう暫く時間がかかりそうです。



<ドル円>
78円01銭で一先ず売りが一巡し押し戻されたドル円ですが、それにしては未だ戻しの勢いが感じられません。クロス円の売りも大分収まったものの積極的な買いはまだ見られずもう暫らくドル円は78円付近でのもみ合いが続くと思われます。値幅よりも時間調整に入るとみれば上昇は来週以降になりそうです。昨日の安値である78円を割り込んだとしても77円90銭が精々。レジスタンスはボリンジャーバンドの中心線の位置する78円50銭、一目の雲の下限である78円80銭付近とみます。

<ユーロ円>
短期の三角もち合いが収束し下放れ。102円10銭を下回り100円90銭まで売られ1円20銭近く下落しました。直近の高値が103円60銭から102円10銭まで1円50銭近い下落幅に対し、下値目途は上昇幅と同等の下げ幅となれば100円ミドル付近が想定されます。このレベルは直近高安の76.4%でもあり、100円90銭を下回るようであれば100円ミドルが次のサポートと考えられます。戻しの高値目途は下落の始まった102円10銭付近。

<オージー円>
予想外に円高が進みオージー円は81円を一時割り込みました。中国のPMIが11カ月連続で活動縮小を示したこともありますが、オージードルの巻き戻しが目立ちました。これで目先のロングが大分切らされ今後は寧ろ上昇しやすくなったとみます。ユーロオージーも徐々に下落が始まるなどオージーの底が切り上がってきました。ただ、ドル円がまだ安値付近で燻っていることから本格的な上昇はもう少し先になるとみます。上値目途は82円30銭付近。