「期待外れの後は再び期待高まる」 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~





今週はリスクオンの動きが進みクロス円を中心とした円安ドル高の動きが強まるとみます。
先週はFOMC政策会合,ECB理事会、そして米雇用統計と今後の相場の流れを見極める上で重要なイベントが発表されました。
FOMC政策会合でバーナンキ議長はQE3に対する含みを残したものの異例の低金利期間の延長など他の追加緩和措置が見送られました。また、ECB理事会では政策金利は据え置かれ南欧国債買い入れの具体的な規模や期限などが示されませんでした。
どちらも市場の期待を裏切るもので市場は再び振り出しに戻された格好となりました。しかし、週末に発表された米雇用統計では非農業部門雇用者数が予想以上に大幅な増加となったとことで市場のセンチメントは一変。FOMCではバーナンキ議長が労働市場の持続的な改善がなければQE3の可能性を示唆したことから、今回の雇用統計の改善により市場の追加緩和期待は大きく後退。次回9月の雇用統計も大きく改善を示すものであれば当面QE3の可能性は後退することになります。財政の崖を懸念しQE3を実施するとの観測は未だにエコノミストの間で根強いものの、その可能性はかなり低下したとみます。
追加緩和にはリッチモンド連銀のラッカー総裁などFOMC内部での反対意見も多く、コモディティー価格などに対するリスクや副作用も懸念されます。米債を大量に保有する中国や欧州からの反対も根強く、簡単には伝家の宝刀を抜けないとみてよいでしょう。
ECB理事会ではドイツ連銀の抵抗もあり市場の期待を裏切る内容となったもののスペイン危機を回避する前向きな動きが始まりました。ドラギ総裁はスペインが支援要請をすれば国債購入を実施するとし、不胎化など非伝統的追加枠組みを数週間以内にまとめるとしました。
一旦は期待後退からユーロやクロス円の売りが強まったものの、今週は再び欧州ソブリン危機回避の動きに期待が高まると予想されます。
総合的にみると、米国景気減速やスペイン国債の下落などへの悲観的な見方は燻るものの、次回の雇用統計やFOMC,ECB理事会への期待が高まることになったと考えます

全般にリスク回避の動きは後退に向かいクロス円などの上昇によりドル円も底堅い動きが期待できそうです。今週は日本の貿易収支発表や日銀政策会合が開かれます。先日IMFが日本の介入を評価するとともに日銀に対し一段の金融緩和の導入を提言。市場は据え置きを予想するものの追加緩和への動きが示されるようであれば円売りに反応しやすい状況とみます。


ドル円の予想レンジ:79円20銭~78円20銭