ECBの量的緩和でユーロ安 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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昨日ECBは初の期間3年物の資金供給入札を実施しました。
応札額は4890億ユーロと当初予想された2930億ユーロを大きく上回る1.5倍以上の規模となり、欧州域内523の金融機関が参加。
この資金でECBは各金融機関がこれまでの貸し渋りを解消し企業などに融資を拡大する事を望んでいるとしていますが、実際にはそうは問屋が卸さないという事になりそうです。
欧州銀行の2012年に償還される金額が5000億ユーロ余りとされ、その約6割を返済に回し、残りの4割を高金利のイタリアやスペイン国債に回し利鞘を稼ぐと思われます。
1年後には返済も可能なため短期で資金を回せば低リスクハイリターンを望む事が出来ます。
このオペは来年2月末にも行われる予定で、まさにECBによる大量の量的緩和といえそうです。
結局、ドラギ総裁は直接ECBが国債購入規模拡大を行わない代わりに間接的に銀行を通して資金を供給した事になります。
いずれにしても、新たな資金供給を行った事で欧州金融機関はかなり楽になった事や、市場にユーロがダブつく可能性が高まった事は間違いないと言えます。
ユーロの危機は緩和されたと同時にユーロの余剰が最終的に通貨を押し下げる要因となったと考えられます。
米国は既に量的緩和では国債をQE1で3000億ドルを購入しMBSや政府系のエージェンシー債を合わせると1.7兆ドル規模の購入を実施し、QE2で6000億ドルの総計9000億ドルの国債を購入しました。
その米国の規模に比べるとまだ小さいと言えますが、ユーロ安に繋がる可能性は高いのではないでしょうか。