「注目は欧州債務問題への取り組みの動きと米国景気動向」 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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先週はEFSF欧州安定基金拡充法案をフィンランドやドイツ議会が可決した事で市場の極端な悲観論が後退。ただ、ギリシャデフォルトの危機が去ったわけではなく今後もユーロへの不安感は燻り続けることになりそうです。市場では欧州債務問題と米国景気減速への懸念といった二つの大きなリスクを抱えながら、どちらか一方の問題が強まると注目がそちらに偏るといった動きをみせる傾向がみられます。先週は欧州問題に市場の注目が集まったものの今週はその問題解決に向けて何らかの対策が打ち出される可能性が高まるとみられます。
今週は欧州サイドのイベントと同時に米国の重要指標が多く発表されます。
3日はユーロ圏財務相会合が開かれギリシャへの追加融資への承認問題が焦点となりそうです。同時に米国9月ISM製造業景況指数の発表もあります。また、4日はEU財務相理事会が開かれる一方米国サイドではバーナンキ議長の講演が行われ前回のFOMCでの金融政策に対するコメントに焦点が集まりそうです。6日はECB理事会が開かれます。先週発表されたユーロ圏消費者物価が予想以上に上昇した事を受けこれまでの利下げ観測が後退しました。ここで利下げを見送れば欧州景気への悪化が懸念されるなどECBは難しい選択を迫られることになります。週末の7日は注目される米雇用統計が控えます。これまでNYダウの不安的な動きが続いた事をみると市場は米国景気減速を大分織り込んできていると考えられます。もし、市場予想を上回る好結果が示されればリスク回避の後退からクロス円などの買いに繋がる可能性が高いとみます。
その雇用統計を前にして日銀の金融政策決定会合が開かれ、円高による景気減速を懸念する白川総裁が何らかの追加緩和策を打ち出すか注目されます。これまでは米国金融政策をみながら慎重な動きが目立った日銀が積極的な姿勢を示すことになれば市場のサプライズになりそうです。
9月は米系企業の半期末ということや日本の中間決算という事からポジションの偏りは大分解消されたとみてよいでしょう。
市場は今後どのテーマでポジション作りを始めるのか、その動きを見極める上でも今週は重要な週となりそうです。

ドル円の予想レンジ:79円50銭~76円10銭