NYダウ8日間続落の先には | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~


米連邦政府の債務上限引き上げ法案は昨日8月2日の最終日に可決成立しました。
最初から8月2日までには折り合いをつけるといった出来合いレースの観も歪めませんが、結果的に民主・共和両党の妥協の産物となり本質的な財政問題は先送りされたことになります。
10年間で2.4兆ドルの歳出削減をするためには更なる緊縮財政が必要となります。
昨日発表された6月の米個人消費支出は0.2%減少とほぼ2年ぶりにマイナスに落ち込みました。
先週発表のGDPや前日のISMの数字などをみると景気減速の兆しが見え始めており、今後の金融政策に影響を及ぼす可能性が高まります。
もし、QE3を再び行う可能性が高まればドルの下落は更に進むことになり世界的にも反発が高まる事は間違いないでしょう。
昨日はNYダウが265ドル下落し、これで8日連続のマイナスとなり下げ幅も800ドル近い下げとなりました。
ところが、債券は堅調で10年国債の利回りは2.6%近くまで下落しています。
今朝の新聞では世界経済への不安が拡大した事で日米独の長期金利が急低下していると報じています。
ドイツ国債はスペインやイタリアなどのソブリンリスクの高まりから上昇。
円債は円高を阻止するため日銀が更なる緩和策を打ち出すとの観測から上昇し利回りは低下。
米国債は景気減速懸念や財政赤字削減による金融政策への圧力が高まれば量的緩和第3段も視野に入るとの思惑もあり上昇。
ドイツや日本の債券が買われるのはリスク回避からというのも理解できます。
しかし、米国の場合は自国の景気減速から来るものであり。今後格付けが引き下げられるリスクが高い事からここまで買われるというのも違和感があります。
基軸通貨という事が背景としても、一歩間違えは債券の暴落も十分考えられます。
そうなると米国は株と為替、そして債券のトリプル安になる可能性が高まる事から、米国は何としてもその状況は避けようとするはずです。
既に、株と為替は下落している事から国債が下落の傾向を示す時には最も手っ取り早く押し上げる事が出来るのはドルという事になります。
そうなると、対円での介入のみならず他の通貨に対してもドルを引き上げる動きが強まるとも考えられます。
あくまで仮定ではありますが、株価が更に下落し債券の動きに変化がみられる時にはドルの上昇する時になるかもしれません。