ユーロやポンドが欧州市場で更に値を下げたものの、NY市場ではIMFとEUがギリシャの緊縮財政案を支持したとの報道で買い戻されました。
この日発表されたドイツやユーロ圏のPMIが予想を下回ったことからユーロの下げ足は更に早まり、それに追随するようにポンドも値を下げるなどドルの強さが目立ちました。
NY市場ではダウが大幅に下げて始まった事からリスク回避のドル買いが強まるとユーロはこの日の安値1.4127ドルをつけるなど、前日の高値から300ポイント余り下落。
ポンドも1.6ドルを割込むと3月に付けた安値の1.5935と同レベルまで下落するなどドル買いが優勢となりました。
一旦は買い戻しが入った後に再び下値を更新するかと思われたところでギリシャの緊縮財政案をEUとIMFが支持するという報道が広がりショートカバーを巻き込んでユーロやポンドは上昇に転じました。
しかし、ギリシャの緊縮財政案を支持したからと言って来週28日に行われる議会での支持を得られるかはまだ分からず依然として不透明感は払しょくされません。
この時点ではショートカバーが精々といった段階でここからは積極的な買いは難しいと思われます。
原油価格は国際エネルギー機関IEAが石油備蓄を協調放出する事を発表した事から一時90ドルを割込む場面も見られましたが、引けにかけて再び91ドル台に押し戻されました。
原油価格を今後も継続して抑えられるかはOPECが追随するかどうかにかかってきます。もし継続するようであれば世界景気にとっては大きな下支え要因となるためリスク志向は最終的に高まる方向に向かうと考えられます。
いずれにしても、ギリシャ問題からは目を離す事は出来ないと同様に米国景気回復の鈍化が更に進めば世界的な景気後退を招く事になりかねません。
時間稼ぎのギリシャ問題と言われ様がここで何とか踏ん張らないと、それこそ何が起こるか分からない状況に陥る事になります。