際立つユーロ、金、原油価格の上昇 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~


先週末にはギリシャ債務再編問題やフィンランドの反EU政党の躍進などからユーロが300ポイント余り下落したユーロもこの二日間で寧ろ高値を更新してきました。
1.45ドルの重さに嫌気した事で、イースター前という事もありこれらの材料を機にポジション調整の売りが出たと観られますが、それにしてもこの買いの強さには驚きました。
この動きはユーロだけではなく原油や金、そしてNYダウも上昇する一方でドルが全面安の展開が見られます。
ユーロの下落を止めたのは18日のNY時間にS&Pが米国の格付け引き下げを発表した後であり、ドルの下落がこれらの動きを助長したと持考えらえます。
昨日発表された米中古住宅販売件数は予想を上回り、その前日に発表された住宅着工件数も同様に好結果を示すなどドル売りに反応する材料ではありませんでした。
しかし、ドル売りの動きは強まるばかりでドルインデックスは74前半まで下落しました。
これは昨年11月にアイルランド支援要請が行われた際に安値を付けたレベルを下回りました。
格付け引き下げの影響はあくまで見通しを引き下げたというレベルの話であり、もしこの影響でドル売りが強まっているとすれば投機的な動きと考えられます。
或いは、来週のFOMCでの声明文がこれまでと大きく変わらないものになるとの見方が影響しているとしても、ポジション調整の域を脱する程のドル売りになるとも思えません。
ドルの下落はこの連休前後における短期的な動きで終わるようにも思えます。

円は昨日の貿易統計でも明らかなように今後も黒字額減少の傾向は継続すると見られ、円売りの動きは強まると考えます。
しかし、今回はドルの下落が円の下落を上回っている事からドル円は上値の重い展開となりました。
クロス円では金や原油などの上昇による資源国通貨の豪ドルやカナダドルの上昇は目立つものの、それ以外のクロス円も同様上昇しているという所に注目したいと思います。
これは、円キャリーの本格的な始まりというわけではなくユーロの上昇に伴う動きとみる事ができるかもしれません。
短期的にはリスク選好の動きによる金や原油などの動きに反応した動きともいえます。

ただし、ユーロの利上げ期待による上昇がこれほど強いということは、市場が高金利への志向が高まり始めたサインなのかもしれません。