協調介入後は依然として円高への懸念が根強かく、かといって円買いに立ち向かう程の勢いもなく様子見気分の強かった円が先週末辺りから少しずつ動き始めました。
ポルトガルの財政問題を機にユーロは利上げ期待からの上昇が後退したものの、今週に入るとトリシェ発言などから利上げ期待が再燃。
ユーロの影に隠れて準主役に甘んじていたドルも各FRB連銀総裁の発言が活発となった事で俄かにドルの出口戦略への注目度が高まり始めました。
ところがこれらの動きの中で最も活発な動きを示したのは円でした。
欧州と米国の利上げ期待に対して日本は今後も緩和政策を余儀なくされる事から、金利差からみると円売りに傾き易くなったことを背景に円売りが徐々に進行し始めたといえます。
昨日は協調加入後の高値であった82円を上抜いた事でドル円の底堅さを確認した事でクロス円が一斉に買われ始めました。
特に豪ドル円やユーロ円は昨年5月以来の高値をつけるなど上昇に勢いが見られます。
ただ、個人などの円キャリーの動きは出遅れていると思われ今の動きはまだ短期的なものとみる事が出来そうです。
ポイントは米国の出口戦略の動向となりそうです。
最近のFRB連銀総裁の発言では米国景気回復の兆しを背景としているため、今週金曜日に発表される米雇用統計が大きく影響を及ぼすと考えられます。
住宅関連に於いては依然落ち込みを示すものが多く懸念されるものの、雇用や消費の回復がみられる事から今回の結果が好調であればドルの長期金利が上昇しドル買いが強まるとみます。
豪ドルやランドなど高金利で資源国通貨は今後も魅力ある通貨であり、下落場面では買いが待ち構えると考えられます。
ただ、対ドルでは上値の重くなるとみられる事から大幅な上昇は期待できないかもしれません。
丁寧に下値を拾って行くのがよさそうです。
本日は月刊FX相場予報を20時からWEB上で放送しますので是非お時間があればいたしてください。
協調介入後の円の行方を予想していきます。