日本と米国、国債利回り低下の原因は | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~

先ほど仙石官房長官が「世界的に国債への資金流入が進んでいる」とし、これが何を意味するのかを分析すると述べました。
日本の10年国債利回りが1%を割り込んだ事への発言ですが、米国の10年債もNYダウが回復基調にある中で米国10年債も依然として3%割れで推移。
色々なコメントをみると安全資産に資金がシフトしているといいます。

確かにドルや円は他の運用市場と比較しても流動性の面から見て圧倒的に大きく、その資金を受け入れるだけの市場ではあります。
しかし、欧州危機が後退したことでリスク志向が高まるという時に安全資産へ資金がシフトするという理屈も少し無理がありそうです。
結局のところ金余り現象という事になるのかもしれません。
金融規制法案が可決したものの、その影響が出るのはまだ先の話。
アメリカがドル紙幣を刷り過ぎたといことなのでしょうか。
サブプライムショックで崩壊した様々な運用市場が縮小、或いは崩壊した事で世界にあり余ったドルが行き場所を探して彷徨しているようにみえます。


一つの解釈として次のような分析をしてみました。

今年始め頃のNYダウは今と同じ1万600ドル付近で推移し、その時の米10年債利回りは4%近くありました。
その時のユーロドルは1.45ドル付近で、ドル円は93円付近。ポンドドルは1.6ドル台でほぼ同レベルに戻ってきました。
この動きからみるとユーロからドルへシフトした資金は依然としてドルの買い持ちに偏っているといえます。
一方でドル円は更に売りが続いています。
これだけでみると、ユーロで余ったドルを円に換えていることになります。
実際に当時のユーロ円は134円付近にあり、今はまだ114円付近と20円下回っていることからみても明らかといえます。
それでもまだドル余りから米国債に流れ込んでいるのかもしれません。



国内国外からのいずれにしても、円債に資金が入り込んできていることは確かです。
しかし、1%の金利水準に大量の資金がいつまでも滞留しているのでしょうか。
何かの運用先が見つかるまでの一時的な動きと見る方が自然ではないでしょうか。
或いは、円安が始まる何かのきっかけが出るのか。





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上の図は米10年債利回りとユーロ円チャートを合わせたものです。
7月に入りユーロ円が上昇し始めた時に一時的に10年債も上昇したものの、その後すぐにクロスしているのが分かります。
ユーロ上昇にもかかわらず利回りは低下しているのが分かります。