連休を前に欧州市場ではポジション調整からユーロのショートカバーが断続的に損切りを巻き込みながら上昇。
その後NY市場に入り買い戻しも一巡したことで上値が徐々に重いところに格付け会社フィッチによるスペインの格下げが伝えられユーロは再び下落。
既にS&Pが4月に格下げをしていることである程度予想されたものではありますが、NYの午後に発表されたことで反応したと思われます。
NYダウも前日上昇に転じたものの、この日は再びマイナスになるなど株式市場も1万ドルを挟んで神経質な展開が続きます。
それでも、為替市場では連休前ということだけではなく、過度なリスク回避の動きが後退し円売りの動きがみられました。
欧州金融市場の混乱はまだ継続されるものの、スペインの格下げに対する市場の反応が、連休明けの欧米市場でどう受け止められるかで今後の相場の動きを占うことが出来るかも知れません。
ユーロドルも1.21ドルの手前ではこの2週間何度も跳ね返され、ダブルボトムを形成するか微妙な段階に入っています。
今週末には最も注目されると指標の一つ、米5月雇用統計が発表され50万人近い増加が予想されます。
これまで欧州問題に市場の注目が集中し、米国景気指標に対して余り反応がみられませんでしたが、米雇用統計は最も重要な景気指標の一つです。
前回5月7日に発表された時点ではギリシャ救済策を巡り混乱を極めていたこともあり、数字自体がどの程度反応したか定かではありませんでした。
今回は市場がどちらに反応するかということも重要ですが、反応自体の大きさがどうなるか注目してみたいと思います。
さて、今日は英国や米国の祝日のため為替市場の参加者が少ないため動きにくい展開が予想されたものの、朝方からドル円は堅調な動きで始まりました。
エバンス・シカゴ連銀総裁が「米国経済は欧州に拘わらず京福を続けるだろう」という発言が影響したとも言われますが、最近このような発言などでは殆ど反応しないだけに、市場の雰囲気に変化が現れたともみられます。
これがアジア市場だけの反応なのか、本日の欧州勢の最初の動きが注目されます。
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