ユーロの下落をどこまで容認するのか、市場は催促相場的にユーロを売り込んできました。
しかし、1.2ドル手前まで約4年ぶりに安値を更新したことで久しぶりに介入警戒感が広がりました。
きっかけとみられるのは、某シンクタンの「ユーロの下落が行き過ぎた場合、G7で介入する」というレポートといわれます。
或いは、スイス中銀のSNBがスイスフランの上昇に懸念を示したことから、SNBとECBが既に売り介入を行ったという噂まで広がったようです。
今のところこの様な噂やレポートだけで、実際に当局者の介入に関する発言はまだ一切聞かれません。
これだけユーロの下落が続いているにも拘わらず当局からは何のアクションもみられないということ自体奇妙な状況ともいえます。
そのことで、市場は当局がユーロ安を容認していると考えてユーロを売り込んできたといえます。
しかし、ここまで一方的に下げてくると流石に市場自身が不安を抱き始め、自らユーロの買い戻しを入れたともいえます。
その不安を抱かせたとすれば昨日唐突ともいえるドイツの空売り禁止の発表、EU理事会がファンド規制法案を決めたことなど、苦し紛れの動きがみられたことかも知れません。
この影響は欧州株式だけではなくNY株式市場まで波及。
ユーロの下落とNYダウの下落が連動する形で動き始めました。
今後、世界的な株価下落が止まらない場合は、手っ取り早い方法としてユーロへの協調介入も十分考えられるということになります。
今回のユーロの上昇は介入の話をバックに自律反転で戻っただけで、ショートカバーが終れば再び売りが強まる可能性が高いとみます。
ただし、火のない所に煙は立たずという諺通り介入の可能性は少しずつ高まり始めたことは確かです。
新値を更新する度にこの介入の話は今後も出てっくるとみてよさそうです。
<ドル円>
昨日は欧米の株価下落に伴いリスク回避の動きが強まり円買いの動きが強まりました。
NYダウの下落幅が一時180ドル余り拡大するとドル円も瞬間91円を割り込むなど円への逃避がみられました。
ただ、介入警戒感からのユーロ上昇によりクロス円の上昇が強まりドル円も買い戻しが強まりました。
その後は91円ミドルを底固めするようにもみ合いが続いています。
介入警戒感はもう暫くつづくとみられ、ドル円もリスク回避の動きが弱まれば93円付近を試す展開も予想されます。