「ギリシャ問題の混迷でユーロへの不信膨張だが」 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

-~ 岡安式相場の読み方 ~

これだけ連日ギリシャ問題がドタバタ劇を演じるとは、少しユーロへの認識を改める必要があるのかもしれません。
昨日の欧州タイムでオーストリアのプレス財務相が「ギリシャがユーロ圏から離脱する可能性を排除しない」とコメント。
ユーロドルは売られ1.35を割り込んだものの、EU高官が「ドイツとフランスがサミットでは協調する動きを見せるだろう」と述べるとドルは上昇。
その後大手格付け会社フィッチが「EU支援がなくてもIMFの支援の道が開かれている限りギリシャの格下げはない」との声明で再びユーロ上昇。
しかし、その後ドイツの当局者(誰だか不明、どいつ?)が「ドイツとフランスがIMFの役割を受け入れることに合意」とコメントが流れ、第3者のIMFが入るとユーロの信認が下落するとの判断なのかユーロ売りに反応しました。
最近こういった好い材料とも悪い材料とも取れないような内容に対し、市場は一喜一憂する動きが目立つようになりました。
明日から始まるEUサミットでIMFかEUの資金援助か、或いは両方なのか何らかの具体的な対策が出る可能性はあります。
しかし、その時点までは昨日のような動きを繰り返すユーロに対しては流石に買いを入れ難いと考えられます。
先ほどユーロスイスはリーマンショックでつけた1.43の安値を下回る1.4235付近まで下落しています。
一旦は後退したと思われたギリシャ問題がこれほどまで翻弄されるようでは、ユーロ売りが進行するのは仕方ないでしょう。
対ドルでも3月2日に付けた最安値の1.3435ドルを下回るのも時間の問題かもしれません。

ただ、このような時だけにEUは結束を固めてくるとも考えられます。
フランスとドイツが協調することでIMFの支援も含めプライドを捨ててギリシャ問題を解決する動きが見られればユーロが一気に上昇する可能性も十分考えられます。
その分岐点は明日からのEUサミットで明らかになるかも知れません。
昨日はドイツが初めて欧州によるギリシャへの支援を受け入れる姿勢を示したことも混迷する現況では仄かに期待は高まります。
しかし、それまではユーロに対する不安定な動きは続くものと考えます。
今日もユーロが最安値を更新するリスクは考えていた方が良さそうです。