「ギリシャ(ユーロ)と米金利(米ドル)を秤にかけ・・」 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~


今の市場の焦点は大きく分けて二つ。
一つはギリシャ問題、そしてもう一つは米国の金融政策の行方だと考えられます。
ギリシャの問題はこれからも何度か話題に上るものと思われますが、取りあえず第一幕の終盤に差し掛かってきたとみてよいかも知れません。
昨日はギリシャが欧州の金融支援を得られずにIMFに救済を求めるのでは(ある高官)という報道が流れユーロ売りが加速しました。
ギリシャにとっては資金支援なしに自力で再建するには、国債の発行利回りをできるだけ低めに抑える必要があります。
それには万が一に備え、IMFやEUなどからの資金調達が可能という後ろ盾があればこそ、借り換えがスムーズにいくという思惑があるはずです。
一方、EUにしてみると簡単に資金援助を行ってしまえば他の財政赤字を抱える加盟国とも複雑に絡み合う問題だけに、ユーロの信認失墜にも繋がりかねません。
4月と5月に期限が迫る借り換え時期を乗り越えるまでは、昨日のような報道は今後も何度か繰り返されそうです。
市場はそのような報道が出るたびに右往左往することになりそうですが、時期的にも大分煮詰まってきた観があります。
一方で、昨日のNY時間に米国公定歩合引き上げの噂が流れドルが買われる場面も見られました。
これにより、ユーロドルが損切りを巻き込みながら下落が加速するなど、米国の金融政策に絡んだニュースが目立ち始めています。
今月のFOMCでは緩和政策が長期に継続するという表現に変更は見られませんでしたが、市場は次回の会合で金融政策の変更が行われるという見方が増えています。
今回のような公定歩合の引き上げの噂の背景にはそのような思惑があるとみてよいでしょう。
ギリシャの問題が後退すればユーロ買いドル売りに反応し、ドル金利引き締めの話が出ればドル買いユーロ売りの動きが強まります。
今後の市場はこれら双方の材料の重さを天秤に掛けながら見ていくことになりそうです。
円はその両方の綱引きの真ん中に位置し、どちらにも大きく動きにくい状況です。
ただ、来週の月曜日は春分の日ということで日本は3連休となることから注意が必要かもしれません。
ドル円の日足チャートを見ると一目均衡表の雲のねじれが来週月曜日に起こり、流れの転換点とみたところが仕掛けが入ることも考えられます。
現在ポジションの偏りはそれ程見られないようですが、流動性が低いため動き出すのか注目したいと思います。