朝方家を出たのが6時20分頃で、会社に着いてチャートみて一瞬ドル円のレベルを見間違えたかと思いました。
フェッド(連邦準備制度理事会)が公定歩合を現行の0.5%から0.25%引き上げ0.75%にすることを発表していた事を知りました。
それを受け、ドル円は91円前半から一気に1円近く上昇し1月以来の92円台に乗せました。
最も敏感に反応したのがギリシャ問題で依然として傷が癒えないユーロに対してでした。
昨年5月以来の1.34ドル台に突入し一気にユーロベア組が息を吹き返したようです。
しかし、忘れてはいけないのは今朝の動きは今までのリスク回避からのドル買いではないということです。
この公定歩合引き上げにより、これまでの予想よりも米国の出口戦略が早まる可能性が高まったことからのドル買いであるということです。
そこを間違うと今後の相場展開を見誤ることになりかねません。
やや唐突に今回の公定歩合の引き上げが行われたようにも感じますが、先日公開されたFOMC議事録では既にそのサインが見られました。
ここで注目しなければいけないことは、米国経済の回復がそれだけ顕著になり始めているということを証明するものだと考えられます。
昨日発表されたフィラデルフィア連銀指数や景気先行指標の改善も然りで、確かに昨年後半からの景気指標は改善傾向にあるとみられます。
ただ、雇用に関しては依然回復スピードは遅く、ジョブレス・リカバリーの下での利上げということでフェッドも慎重な対応を迫られるそうです。
従って、本格的な利上げが始まったというのは時期尚早であり、その布石としての今回の公定歩合の引き上げとみてよさそうです。
<公定歩合とFF金利>
公定歩合とは連銀が金融機関に対する貸出金利であり、以前はFF金利よりも低く設定されていました。
しかし、現在のFF金利は0.25%と公定歩合を下回るようになりました。
先週バーナンキFRB議長の議会証言原稿が公表され、FF金利と公定歩合のスプレッドを検討するという内容が盛り込まれていました。
また、準備預金への付利引き上げにより実際の引き上げ政策を達成するという見通しも広がっていました。
それが今回の公定歩合に繋がっていることは間違いありません。
少しずつ本格的な利上げモードに入る下準備を始めたことは間違いなさそうですが、その本格的な時期は今後の米国景気指標を一つ一つ見極めていくことになりそうです。