畑岡の運転している最中、健二は自分の身の安全よりも
まだ、兄の扱われ方に疑問を抱いていた。
中川の話によると、もし兄の指紋が検出されなかったら
自殺として、片付けるつもりだったと言っていた。
となると、問題はそこか‥。自殺と片付けられる事に、問題があったのか?
しかし、問題となる意味がわからない‥。例えば、この横にいる畑岡という
人物が誤って殺してしまったというのなら、兄に擦り付けた動機は理に
叶っている。だが、実際は違う。‥!?まさか。
「あの、ちょっと良いですか?」
「何だ?」
「フィリアさん、美紀さんを救おうとしていたんじゃないんですか!?」
健二は咄嗟の閃きについ声を荒げてしまった。畑岡の返答を待った。
畑岡は前方を見据えながらも少し考えているように見えた。
「俺が、今から話す事は絶対、口外するなよ?いいな?」
「はい」
「俺が、この組織に入ったのはつい最近だった。自分から入りたいと
申し出たんではない。入らそうと進める人物がいたんだ。そいつが
あまりにもしつこいから、俺は仕方なく入った。そして、あのSホテルの
事件に出遭った。」
自分の質問に答えてくれと言いたかったが、健二は畑岡の話に割って入る
訳にはいかないと感じたので、黙って話を聞いていた。
「正直に言おう。俺からしたら、思いも寄らない事だった。
正直、美紀が死ぬということ事態、あってはならなかったんだから。」