「鳴ってるよ~、フィリア。」



「あら、何?機嫌がやけに良いじゃない。奥さんに


素敵なお言葉をかけてもらったのかしら?」



そう冗談を言いながら、フィリアは片方の手で携帯電話を取り出した。


道路は驚く程、空いている。


番号の表示を見て、フィリアは躊躇った。


しかし、この機を逃すと当分、連絡は取れなくなる。


まだ、電話に出たいという気持ちがあるだけ、まだ人間を失っていないのだろう


とフィリアは自問自答した。



そして通話ボタンを押した。




「久しぶりね。」




しかし、そこから聞こえてきたのは、聞き憶えのない声。




「初めまして、笹木健一の弟、健二と申します。」






「あら、こんにちは。どうしたのかしら?予め言っておくけど


会話出来るのは後、10分とないわ。それまでに用件を伝えてね」







「わかりました。では、率直に申し上げます。









兄を陥れたのはあなたですか?」




健二は、賭けに出た。これで、向こうから電話が切られたら


兄を助ける手段を失ってしまう。しかし、悩んでいる暇はなかった。


しかし早く答えが欲しい。少し焦った自分を少し悔いた。


だが意外にも返事はすんなりと帰ってきた。




「私ではないわ。何を言っているの?どうして私が君の兄さんを


陥れなきゃいけないのかな?何のメリットもないと思わない?」




「では、兄が美紀さんを殺した動機は何だったんですか?



あなたの家に兄が訪れた時、何の話をしたんですか?



僕にはどうしても辻褄が合わないんですよ!



僕は、兄にどうしてそこまで、肩を持つのか聞いたんです。



そしたら兄は、




美紀は絶対救わなければいけない人間なんだと言っていました‥」




ワイスはフィリアの顔の妙な表情を察し、三本の指を立てた。



フィリア‥、傷口を拡げると、後処理が大変だぞ‥



フィリアが少しアクセルを緩めたのにワイスは顔をしかめた。



「健二君、今から私の言葉をメモしなさい。」



健二は急いで、ポケットから紙切れを取り出し、ペンは


後ろで呆然と立ち尽くしている、父親から手に入れた。







健二は急いで、ペンを走らせた。















 ハタオカトモキ 犯人の手がかりを握る 


 住所 ××××××


 訪れた際 フィリアから聞いたと告げる事