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(THE PAGE)
鞍上の武豊騎手は6度目のダービー制覇で自身が持つ最多勝利記録を更新。
53歳でのダービー勝利は最年長。
あらゆる”経験値”をいかした手綱さばきが光った。
レースは前評判通り、皐月賞組が上位を独占。
首差2着は2番人気のイクイノックス、3着は7番人気のアスクビクターモア、1番人気のダノンベルーガは4着、4番人気の皐月賞馬ジオグリフは7着だった。
なぜドウデュースと武コンビは歴史を塗り替えることができたのか。
※「しびれるような手応えがあった」
競馬界のレジェンドがまたもや不滅の金字塔を打ち立てた。
「日本ダービーを知り尽くした男」武豊がドウデュースを心憎いほどスマートにエスコート。会心の騎乗で同世代のサラブレッド7522頭の頂点に導いた。
「ある程度想定していた並びで凄くいいポジションが取れた。ペースは少し早いかなと思いながらも自分のペースを崩さずに行こうと思っていました。4コーナーを回るときにはしびれるような手応え。先頭に立つのが少し早く、気を抜こうとしたのですが、最後まで伸びてくれた」
13年のキズナ以来9年ぶりの勝利。
絵になる男の復活に入場規制が緩和されたことで詰めかけた6万超の観衆からは自然と「ユタカ」コールがわき起こった。
「頂点のレースですから、たくさんのお客さんの前でレースがしたかった。その意味でもきょうはうれしかったし、ダービーのウイニングランはやっぱり格別。ジョッキーをやっていて、これほど幸せな瞬間はない。感無量です」
勝利の裏にはいたるところに経験値がちりばめられていた。
まるでドローンか何かで俯瞰しているような視野の広さと冷静さ。
馬群の状態、各馬の動きやペースを読み切り、レースを進めていった。
前半1000メートルの通過が58秒9。
過去10年でロジャーバローズが勝った19年(57秒8)、ドゥラメンテが勝った15年(58秒8)に次ぐ速いペースとなったが、これを見越して、道中は14番手の後方に構えた。
結果的に、この後方待機策がハマったとの見方もあるが、真実は、そんなに簡単なものではない。
武豊だからこそできた円熟の騎乗ポイントは3つあった。
まずは向正面で、ひとかたまりとなった中団馬群の直後をキープしたことだ。
ダノンベルーガ、ジオグリフを視界に入れながらポツンと1頭だけ、他馬のプレッシャーがかからない理想的なポジションを取った。
ここで無駄な消耗がなかったことがラストの切れ味につながる。
さらに、4コーナーのコーナーリングも絶品だった。
内から外へ鮮やかにワープしたアドマイヤベガのダービーを思い出させるような巧みな進路取り。
ロスを最小限にしながら、なおかつ1番人気のダノンベルーガにフタをして外への進路を封じ込めた。これぞ、匠の技だ。
Cコース替わりとなった今週は、全体的に時計が速く、それでいて前に行った馬が止まらない競馬が多かった。
実際、今年のダービーを前後半5ハロンのラップでみると58秒9に対し、59秒0とミドルペースに近い。
並みの騎手なら好位をキープしたくなるところだろう。
事実、アスクビクターモアは2番手から3着、プラダリアも5番手から5着とこのあたりに展開が向いたように思える。
それが4コーナーではドウデュースは14番手である。
ドウデュースを管理する友道康夫調教師は、その直線のポジションを見て「前との差が詰まらなかったから、ちょっと大丈夫かな?と思った」と不安になったという。
その危険な位置に平然と身を置けたのはダービー歴代最多33回目の騎乗という経験値。
しかも最後の直線ではじんわりと外に出し、内から併せようとしたイクイノックスの進路さえ阻んだ。
もちろん馬も強かった。
久々に集まった6万超の観衆の熱気が誘発したのかもしれないが、2分21秒9のダービーレコードは昨年のシャフリヤールがマークした2分22秒5を大きく更新する驚異的なタイムだ。
ノーザンファームの吉田勝己代表も「22秒台は読めていたが、21秒台が出るとは」と驚いたほど。
そんな高速馬場にもかかわらず、追い出されると鋭く反応し「先頭に立つのがちょっと早すぎて、少し気を抜こうとしていた」と、武豊が振り返るのだから相当なポテンシャルを秘めているのは間違いない。
戦前には、今回のダービーは、皐月賞上位馬による「4強争い」と評されていたが、終わってみれば「1強」のレースだった。
敗れた残り3頭の敗因についても検証してみよう。
皐月賞馬のジオグリフは7着に沈んだ。
鞍上の福永祐一騎手は「課題のスタートは決まったが、内の馬に入られ、取りたい位置で競馬ができず、体力を温存できなかった」と分析した。
ただ、レース内容をみるとやはり距離の壁があったと言わざるを得ない。
1番人気に支持されながらも4着に終わったダノンベルーガの川田将雅騎手は「リズム良く競馬ができて、直線もスペースがありましたし、あとは伸び勝つだけだったんですが…。今回できる精一杯の走りをしてくれました」と報告。馬体重マイナス10キロが仕上げのリミットを超えていたかどうかは微妙なところだが、鞍上の言葉通りなら現時点では単純な力負けだろう。
惜しかったのは皐月賞に続き2着に入ったイクイノックス。
クリストフ・ルメール騎手は「3~4角の手応えも良く、直線でも前を捕らえられると思った。最後に勝ち馬がもうひと伸びした」と話したが、今回も大外枠が微妙に影響したようで、首差だったことから、今後、打倒ドウデュースの可能性を唯一秘めた馬なのかもしれない。
50代で6度目のダービー制覇を成し遂げた武豊を支えているのが競馬への愛と向上心だ。
「騎手を辞めようと思ったことはないし、もっともっとうまくなりたいと思っている」
10年に毎日杯で落馬してから専属トレーナーを付けての肉体改造に取り組み始めた。
そのトレーニング理論は、阪神の藤浪晋太郎がアドバイスを求めたほど。
道具へのこだわりは20代から始まり、いまでは当たり前の体にフィットしたエアロスーツを導入する先駆けとなった。
軽量ブーツ、さらに2019年からは、アブミにも関心を寄せ、オリジナルのものを開発してもらっている。
「勝てば、自分もうれしいし、関係者みんなで喜べるから」
プロ野球、芸能界など、各界との人脈も広く、人望も厚い。
交流の深い馬主も多く、ドウデュースを所有する(株)キーファーズの松島正昭氏もその1人だ。
3歳世代の頂点に立ったことでドウデュースは世界への扉も開いた。
松島オーナーは常々「武豊騎手と凱旋門賞を勝つのが夢」と公言しており、この日のレース直後に改めて、挑戦プランを明かした。
武豊は「日本のダービー馬で挑戦できる。大きな夢を与えてもらった」と目を輝かせた。
武豊にとって凱旋門賞は、リベンジの舞台。
06年に“無敗の最強3冠馬”ディープインパクトとのコンビで挑み、1番人気に支持されたが3着入線に終わり、のちに禁止薬物の検出で失格となった。
今度こそ円熟の「経験値」で世界の頂点へ。
友道調教師も16年マカヒキで同年ダービー馬の凱旋門賞挑戦には経験がある。
ドウデュースと武豊の挑戦と夢は、ここから始まるのだ。
(以上引用)
昨日ブログの下書きの時点では、JRAも中継した関テレもYouTubeにアップしていませんでした。
で、昨日の日本ダービーです。