The Wonderful World of Disney | The Wonderful World of Disney

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※本記事は、個人の勝手な意見と推測に基づくものであり、事実や根拠に基づく内容でないことをご理解の上、お読みください。特にディズニーパークという夢を壊されたくない方は閲覧を控えることを推奨します。
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2019/4/30に「平成」という時代が終わり、2019/5/1より新しい年号「令和」の時代が始まります。平成の30年間で、日本を初め、世界の文明は大きく発展してきました。一昔前まではポケベルやPHS、携帯電話で通話ができたと思ったら、メールやSNSができるようにもなりました。携帯電話からアンテナを伸ばしたり、折って開いたりしていた時代が懐かしいものです。iPhoneの誕生は、スマートフォンを普及させる起爆剤にもなりましたし、こうして誰もが手軽にインターネットを利用できるようになり、今もこのブログをスマホ越しやパソコン・タブレットなどから見て頂けていることでしょう。ありとあらゆるものが電子化され、紙媒体は消えつつあります。近々ディズニーパークのパークチケット(パスポート)やファストパスも電子化が進み、スマホ越しでの操作が必須になるのかなと思います。



技術の進歩によってありとあらゆるモノ・コトが便利になりました。ロボットやAIの技術は、次の時代でも大きな発展を遂げるでしょう。さて、今こうした世の中で、改めて「未来」ってどういう世界を想像しますか?このことを何十年以上も前に描いた姿が現在のディズニーパークにあるトゥモローランド(Tomorrowland)です。宇宙旅行や未来の乗り物、ロボットなどが活躍する姿が形となり、テーマランドとして構成されたのですが、時代ともにその描いた姿は現実のものとなっていきました。そして、さかのぼればウォルト・ディズニー自身がディズニーランドを構想したときに、予想していなかった世界が、誰もが手軽に持つようになった「携帯電話」の発展にあります。



ディズニーパークは、現実世界からシャットアウトするという意味合いから、園内から外の光景が見えないように設計されています。東京ディズニーリゾートに隣接するオフィシャルホテルに関しても、東京ディズニーランドの園内から見えないように高さの制限が設けられているのは少し有名な話です。東京ディズニーシーに関しては、東京湾を借景として利用していることから、意図的に外の世界を見せていますが、原則として外の世界を見せないような工夫がされています。外の世界から切り離すことで、「非現実的」な空間を作ることできます。



パークは1つの映画(ストーリー)を作る場所であり、お客様1人1人が主人公、招待客を意味する「ゲスト」として迎えます。ゲストは、パークに足を踏み入れたときから物語が始まります。アトラクション、ショッピング、食事、ショーの鑑賞など、ゲスト1人1人が独自の物語を作っていく、楽しんでいくことがディズニーが提供するディズニーパークでの「世界」です。目の前に置いてあるのは単なるモノではなく、1つ1つに意味が込められた小道具です。ゴミ箱にも抜け目ないデザインがされているのもそのためです。パーク内で働く従業員は、それぞれの持ち場に合わせた役者・配役である「キャスト」としてゲストを迎え入れます。表がステージ(オンステージ)であれば、当然舞台裏でもあるバックステージが存在します。ディズニーは、表を完璧に見せ、裏を見せません。そうすることで、ゲストに「魔法」がかかったような特別な空間を提供することができます。

「非現実的」な空間を実現するためにも、パークの中には時計が設置されていません。後に登場したファストパスエントランスなどには意図的に設置されるようにはなりましたが、周りを見渡して時計が目に入ることはありません。これは、ゲストに時間を忘れて楽しんでほしいという思いからあえて設置されていません。また、お手洗いの洗面台の前に鏡がないのも、自分という容姿を目にして、我に返らせないためでもあります。洗面台とは別の場所に鏡は設置されていますのでご安心ください。日常を忘れて、ディズニーパークで思う存分楽しむことができるのは、こうした「魔法」がかかっているからです。



ディズニーランドはアメリカで誕生し、その後東京ディズニーランドという形で日本にオープンしました。当時は、日本とアメリカの文化の違いによっていくつか日本向けに修正されました。オープン当初に話題になったのが、お弁当の持ち込みでした。なるべく現実世界に戻ってほしくないという思いからも、今も昔もお弁当類の持ち込みが禁止されています。衛生的な理由や園内の売り上げに貢献して欲しい思惑があるのかもしれません。さすがに日本ではお弁当文化が根強かったため、多くのゲストから反発を食らいました。そうしてできたのが、パークのすぐそばにあるピクニックエリアで、日本人のニーズに合わせて急遽作られました。そこまでしてでも、ディズニーが非現実的な世界を提供したいという思いが強く伝わります。

 

また、開園当初は園内に和食を提供するレストランがなく、来園者からの要望が多数あったため、後にレストラン北斎がオープンしています。後付けされたレストランのため、街並みの雰囲気に反して、中に入ると和のテイストがあるのも、こうした背景があるためです。

 



ディズニーパークが他のテーマパークや遊園地と一味違うのは、こうした完璧な世界観を作り上げているからでしょう。ただ、こうした非現実的な世界を良くも悪くもしてしまったのが記事の冒頭でも触れた「携帯電話」の存在にあります。携帯電話がない時代は、待ち合わせにも苦労したのですが、携帯電話の誕生によって、簡単に待ち合わせができるようになります。アトラクションの待ち時間を簡単に調べることもできるようになりました。ただ一方で、パークの外にいる人とも連絡がとれてしまうほか、現実世界の情報が入ってくることになります。そうすると、ディズニーがどれだけ世界観を完璧に作り上げても、手元の携帯電話から一瞬で現実世界へと戻ってしまいます。写真のフォルダを開けば、自分の姿を見れますよね?今は電話だけではなく、SNSが普及しています。なので、パークにいたとしても、外の世界の情報が次々に入ってきますし、逆にパークに行かなくても現地の情報が分かってしまいます。ディズニー側もおそらくこのような未来がくることは想定していなかったのでしょう。



これまでディズニーが作り上げてきた世界、いわゆる「魔法」が効かなくなってきます。ゲストからしても魔法がかかるのは足を踏み入れたほんの一瞬だけ、テーマとか世界観を意識することがなくなってしまいます。アトラクションも1つの乗り物としか見てはくれません。そうなってくると、ディズニーらしさは何?ってことになります。ディズニーには「キャラクター」という強烈なコンテンツがありますので、それを交えてディズニーという要素を強めていくことになります。

 


東京ディズニーシーを例に見てみると、最初で追加されたアトラクション「レイジングスピリッツ」はキャラクター性のないジェットコースタータイプのアトラクションです。その後追加された「タートル・トーク」や「トイストーリーマニア」、「ストームライダー」をリニューアルした「ニモ&フレンズ・シーライダー」などほとんどのアトラクションでキャラクターを起用しています。キャラクターグリーティングの施設も増えているほか、常設のショーでも、ディズニーキャラクターが多く登場するようになっています。キャラクターが使われるのと使われないのでは、広告などの宣伝効果にも影響してきますので、キャラクターを起用した方が良いのかもしれません。キャラクターを起用したことでアトラクションの良さを潰してしまっていることもありますが...。



ディズニーカリフォルニアアドベンチャーや東京ディズニーシーは大人向けの第2のディズニーパークとして、同時期にオープンしました。大人向けなので、アルコール類の提供が売りの1つでした。しかし、開園から5年目を境にどちらのパークもファミリー向けに軌道を修正し、キャラクターコンテンツを取り入れるようになりました。小さい子供からご年配の方まで幅広い世代で楽しむことができる一方で、子供っぽさを感じたり、アトラクションのスリルには欠けてしまいます。人は同じモノには飽きてしまう一方、それを超えるスリルを求めるようになります。しかし、ディズニーパークはファミリー層を意識していることもあって、大人だけが楽しめるようなスリリングなアトラクションの追加には前向きではありません。なので、東京ディズニーリゾートでは、レイジングスピリッツ以降、大人だけが楽しめるアトラクションがオープンしていないわけです。今後もそういったアトラクションはオープンしないでしょう。



話が少し逸れますが、ディズニーパークの競合他社として、ユニバーサルスタジオがあります。ユニバーサルスタジオジャパンを例にみると、フライングダイナソーのように完全大人向けのアトラクションがある一方で、ユニバーサルワンダーランドのように、スヌーピーやハローキティといったキャラクターコンテンツと小さい子供向けのアトラクションを共存させることで、子供向けと大人向けをうまく棲み分けしています。版権の都合で、ディズニー側の方が縛りが強いため、そうした点からもユニバーサルスタジオの方が柔軟にコンテンツを提供しているように見えます。

海外のディズニーパークでも、新規アトラクションに関わらず、リニューアルでキャラクター要素を追加したアトラクションが数多くあります。むしろほとんどです。事の発端は、ディズニーカリフォルニアアドベンチャーで、オープン当初から集客に苦戦し、その要因にテーマ性が欠けていたことが指摘されました。そこで、このパークを皮切りに、アトラクションとキャラクターコンテンツを融合させることがマスト条件となりました。2016年にグランドオープンした上海ディズニーランドにおいても、一部アトラクションを除き、何等かの形でディズニーキャラクターとリンクしています。世界中のディズニーパークにおいても、キャラクターコンテンツが入ったことによりファミリー層の集客に成功しています。

 

ただ、東京ディズニーリゾートの場合は少し特殊で、他国のディズニーパークに比べると圧倒的に女性向け・子供向けな要素が強く出ています。他国のディズニーパークでは、来園するゲストの男女比はおよそ50:50(大きく偏っても40:60)なのに対し、東京の場合は20:80と圧倒的に女性寄りに偏っています。他国のディズニーパークでは男性層向けにはSTARWARSやMARVELシリーズが取り入れられていますが、東京にはそうしたコンテンツはありません。そのためか、日本でのディズニーは女々しいとか子供っぽいイメージがついてしまいました。東京ディズニーリゾートやディズニーストアで販売されているほとんどのグッズは、女性・子供向けを意識してデザインされているのも、こうした意図的な操作・マーケティングが行われている表れです。個人的にも非常に残念な一面だなと感じます。




ディズニーが世界観を大切にすることとして、ゲスト側にもいくつかのお願いごとを設けています。全部を細かく書いていくとキリがないので、1つだけ書きますが、日本では変な文化として根付いてしまったコスプレをしての入園はNGとなっています。特にハロウィーン時期になると、渋谷を中心に何でもありな格好をした人たちが急増しては、トラブルの火種になっています。他のゲストに不快な印象を与えるだけでなく、キャラクターそのもののイメージにもつながってしまうため、ディズニーキャラクターであっても、そうでなくても入園を断っています。(小学生以下のお子様であれば、入園は可能です)

 

ただし、ハロウィーン期間中はディズニーキャラクターに関する仮装は特例で認められているものの、毎年コスプレ大会のような光景が広がっています...。個人的にもハロウィーンのイベントやショーは好きですが、こういった光景を見たくないあまり、少し距離を置くようにはなりました。醜いだけです。そういう人たちのためにパークの入口に鏡を置いてほしいものです(笑)



また、かつては学校行事以外での制服入園は、周りのゲストへ配慮して断られていました。記事の冒頭でもお伝えしましたが、現実世界から切り離すためには現実世界を思い起こしてしまう格好である学生服はタブーであることは言うまでもありません。なので、昔の東京ディズニーランドや東京ディズニーシーの写真に制服姿のゲストが写っていません。学校行事での入園も、なるべく制服の着用は避けるようにパーク側から強くお願いされていました。

 

しかし、東京ディズニーリゾートは2008年以降にキャンパスデーパスポートというお得パスポートを出すと同時に、制服での入園を認めるようになりました。テレビCMでも制服を着たモデルが登場するようになったのもこの時期からでした。最初は抵抗があったのか制服で行く人は少なかったのですが、この時期にiPhoneが普及してくると、SNS映えも盛んになり、やがて現役生のみならず、大学生によるコスプレでも入園することができるようになりました。制服OK=コスプレOKという勘違いも出てくるようになり、結果的にこの制限を緩和したことで、「非日常的な世界」を提供すること自体が不可能となりました。中高生による需要が一定数増えたこととや雰囲気なんてどうでも良いという扱いからも認められるようになったと思われます。「夢と魔法の王国」から「魔法」が消えたと言ってもおかしくはないターニングポイントに思えます。

 

毎年3月頃には未成年者・制服着用者による飲酒・喫煙が後を絶たない点や周りのゲストへの配慮からも制服入園は断るべきだと思いますが...。ファッションだからと言い切ってコスプレに近い格好で入園する人も稀にいるので、きちんと制限して欲しいところではあります。既に10年以上が経ち、制服でのお客さんがいるのも当たり前の光景となりました。


こういった若い世代を中心に、「インスタ映え」「動画撮影」が流行り、SNSにアップロードすることが、入園するゲストの楽しみとしても定着してきました。ただ、近年では誰よりも目立つものを撮影したり、度を超えた行動を取る人が後を絶たず、毎年SNS上でも話題となっているのは残念な一面です。とはいえ、運営側もイベント毎にフォトスポットを設けたり、ハッシュタグをつけてSNSに上げてもらうようなキャンペーンを展開したりしています。携帯電話の普及で現実世界から切り離せなくなった一方で、強力な宣伝ツールとしても機能しています。

しかし、SNSは便利である反面、恐ろしく厄介な存在でもあります。パーク内ではすべての出来事が良いものして終わることはありません。時には不満の声が上がったり、中にはその瞬間を不快に思ってしまうゲストが少数ながらいます。近年増加するパーク内の混雑も影響しているでしょう。ハプニングやトラブルネタはマスゴミも食いつく要素でもあるため、内容によってリアルタイムで拡散され、モノによってはネットニュースにもなります。テレビの取材1つでも、良い部分だけを切り出せたものが、見せたくない部分や悪い部分もセットで晒されてしまいます。これがかなりの痛手になってきます。

今までは何か問題があれば、ディズニー(orオリエンタルランド)側はマスコミを通じて情報を発信し、世間に公表していました。問題はあったけどちゃんと対処していますというアピールを。それが今の時代はリアルタイムで情報が流されてしまいます。中には憶測や過剰な内容で書かれる内容もあるため、ディズニー側も慎重にならざるを得なくなってしまいます。キャラクターコンテンツや会社そのもののブランドイメージにも関わってくるのでなおさらです。これはオリエンタルランドに関わらず、各国のディズニーパークでも同じことが言えます。




良い感動体験はそこで働くキャスト自身のモチベーションにもつながりますし、そうした報告を受けることでキャストにとってもゲストにとっても喜ばしいことです。ですが、一方で、あのときのキャストの対応は何なんだ?、そんな場所で写真を撮って良いのか?、あっちのゲストだけひいきな対応じゃないか?などの不満や批判の声を飛び越えて言葉の暴力が飛び交うようになります。ディズニーにとってもそれはマイナスなイメージにつながってしまうため、良かれと思って提供されていたサービスなどは次々と廃止されていきました。グリーティングで1グループにつき写真1枚という東京ディズニーリゾートにしか存在しないルールがあることは多くの方の疑問になっていることでしょう。すべてのゲストに平等かつ公平な対応を行わざるを得ないのです。

その場のキャストが臨機応変な対応をしても、それを良く思わないゲストによって叩かれ、クレームが出されてしまうと、パーク運営をする上でゲストに対してもキャストに対しても厳しく対応せざるを得なくなります。運営とゲストの間で起きていることならばまだしも、ゲスト同士でSNS上の叩き合いが起きてしまうと誰にも止められず、被害を受けた側も運営側も何もできない状態となってしまいます。叩かれた側もルールを知らなかったり、悪意でない行為だったとしても深い傷を負うことには変わりなく、次第にディズニーからも離れていきます。こうしてどんどん厳しいルールに縛られていってしまう光景には、悲しくなるばかりです。時には炎上目的で投稿する人もいますけどね。

小耳に挟んだ情報ですが、オリエンタルランドでは、TwitterやYouTubeを初めとするSNSに監視の目を光らせ、マニアックな動画から個人のSNSに至るまで細かくチェックを行っているようです。そこはBtoCの企業ですので、そのあたりのエゴサーチは当然と言えば当然でしょう。そうした中で、トラブルやハプニングといった内容は、ブランドイメージに大きく傷をつけることになります。最近はサービスの質が低下したという話題が出ますが、そうした背景の1つにSNSによる問題があります。東京に限らず、今後もルールが厳しくなってしまう背景にSNSの悪いところがでてくるでしょう。むしろ良くはならないです。

特にショーやパレードで重大な問題が起きてしまうとあっという間に拡散されてしまい、呟きや動画に対してマスゴミが直接取材交渉に入ってしまいます。そこから公の場に発信されてしまうので、運営側にとっても非常に厄介な存在なのです。そうした背景もありSNSに敏感な姿勢が見受けられ、失敗やクレームとなりうる要因を極力排除した結果が、今のディズニーパークになっているわけです。もちろんコストカットや人手不足などの問題も絡んできます。



このブログでは多くの水上ショーに関する記事を取り上げてきましたが、そんな水上ショーも失敗となる要素を限りなく排除して今に至ります。ミシカではカイトが4基舞っていましたが、今は2基に減らされています。これもカイトを飛ばす人たちのリスクを最小限に食い止める施策で、数を減らすことで確実に上げて、安全に着水させることで、失敗する可能性を低くしています。当然ながらその分、迫力は劣ります。水上バイクも10台以上使われていたのが、今では4~7台と、半減してしまいました。これに加えて、外部委託から自社のキャストに転換したことにより、これら全てがパターン化(マニュアル化)され、できる演出はほぼ固定となりました。ファッショナブル・イースター以降の水上演出に大きな変化がないことがそれを物語っています。

 

また、陸上ステージを設けたことで、水上ショーから陸上ショーへと変貌してしまいました。陸上の方が安全で確実にショーを展開できます。風の影響も受けにくいわけですし、バージの操船がうまくいかなくても、そこでショーが途絶えることがないからです。また、宣伝の意味合いもあるのかは分かりませんが、近年のショーではキャラクターコンテンツをふんだんに取り入れた内容へ変わっています。予算の都合とかもあるかもしれませんが、子供っぽさは否めず、最近の傾向からしても昔のような水上ショーは戻ってきません。絶対に。

 

 

そして、惰性で続く夜のショー「ファンタズミック!」は、東京ディズニーシー20周年を待たずして、2019年度中に終了が確定しているという情報が入っています。風の噂では、バージのメンテナンスを担当している会社との契約が年内で切られるため、終了説が濃厚となっています恐らくですが、最終公演の時期にはメンテナンスがされない状況になりますので、最後にこだわる前に見納めた方が良いと思われます。このショーだけは、最悪の終わり方をすることは間違いないので...。

 

ファンタズミック!が始まった当初は、ミラーが上がらないなどの不具合が発生して、その度にショーを打ち切っていました。それがいつの日からか、不具合が起きても強行突破する方針に切り替わり、些細なことではショーを止めないという姿勢に変わりました。言い換えれば、ショーのストーリーを完全に無視しており、バージが1隻減ろうが、ショーの主役が出なかろうが、余程の不具合で続行ができなくならない限りショー途中の打ち切りは発生しなくなりました。多くのゲストは気づきませんので、途中でショーが打ち切りになるよりは、強引に最後まで流した方が、クレームも少ないのでしょう。まさに「システム不具合」は、東京ディズニーリゾートのショーやパレードでの魔法の言葉です。



SNSに敏感な姿勢は、東京ディズニーランド35周年を終えたタイミングでも見受けられました。ご存知の方も多いとは思いますが、ミッキーマウスとミニーマウスのお顔が変わりました。運営的な回答をすれば、新たな表情で出迎えたとでも言っておきましょうか。このブログでも、上海ディズニーランドを特集した際にもお伝えしました。



2016年6月16日にグランドオープンした上海ディズニーランドを皮切りに、各国のディズニーパークでもミッキーとミニーのお顔が変わりました。少し夢のない話が続きます。東京ディズニーシー15周年が終わったタイミングで切り替わる噂が一度出たのですが、東京ディズニーリゾートはお顔を変えることなくそのまま東京ディズニーランド35周年へと突入しました。そして2019年3月26日、東京ディズニーランド35周年のイベントが終わった翌日にその時がきました。



海外と日本が違うところは、海外の場合は一斉に切り替わったのではなく、ショーとグリーティングなどで混在する形で徐々に切り替わっていきました。特にフロリダはパークの数やホテルでのグリーティングも多く実施されていることから切り替わりに時間がかかっています。

新しいお顔が上海で登場したときから日本のディズニーファンから批判の声が上がりました。中にはディズニー社に直接クレームをいた人もいたそうです。東京ディズニーリゾートだけミッキーを初めとするキャラクターの実写グッズが多く販売されています。それも古いお顔に不動の人気があったからかもしれません。いつ変わってもいいように、当時発売されていた実写グッズが飛ぶように売れ、品切れが続出しました。残念ながらディズニーを利用して稼ごうとされている転売屋の皆さんの買い占めだったことは触れないでおきましょうか。



日本は約3年という月日がかかってやっと切り替えられました。オリエンタルランドが一斉に切り替えた背景に、SNSなどの拡散を最小限に抑えたかった狙いがあるように思えます。いきなり変えてしまうとそれはそれでクレームとなり、ネットニュースでも批判が飛ぶことを分かっていたからではないでしょうか。ですので、新しいイベントでもあるイースターのコスチュームを発表すると同時に、顔が変わることをあらかじめアピールし、変わることを予告した上で、一斉に変えてきました。言い方を変えれば、古いお顔を惜しむ人に1か月の猶予を与え、残りわずかな時間を楽しんでくれという捉え方もできたでしょう。

 


そして2019年3月25日、35周年のイベントが終わったと同時に、古いお顔とはさようならとなり、翌日以降はすべてのお顔が新しいものとなりました。一部ディズニーホテルでの結婚式関連で登場するミッキーとミニーに関しては、契約の関係で古いお顔で存続しているらしいですが、新規での予約分に関しては新しいお顔へと切り替わるそうなので、一般ゲストの目に触れることはありません。

3月26日は新しいお顔がどのショーに出て、どのパレードに出てるかというツイートが相次ぎ、最初にツイートした人のリツイート数が伸びたということは言うまでもありません。35周年イベント最終日で、一度区切りがつき、一般の方もある程度落ち着くことを見越して、変えてきた可能性はあります。結果からすると意外とかわいいという声があがり、それほど批判的な声も出ませんでした。顔が変わったことは私自身それほど気にしていませんが、何よりも声が変わってしまったのが残念です...。

案の定、ミッキーとミニーの顔が変わることに対することがネットニュースにもなりました。Twitter上では反対派による署名活動が行われましたが、大きな話題にはならず。思った以上にお顔の変更に対するダメージを最小限に食い止められたのは、運営の狙い通りだったのではないでしょうか。



キャラクターの顔が変わることは、ミッキーやミニーに限った話ではありません。時代とともに少しずつ変化をもたらしていくため、その表情は1つではありません。夢のない大人からしたら、なんで顔が変わったの?って思うことでしょう。でも、ちゃんと顔を変える理由があります。むしろ表情が変わった・増えたと言った方がいいでしょう。キャラクターを担当するキャストには、ちゃんと顔が変わった背景となる長~いストーリーを覚えさせられ、いつその手の質問がきてもちゃんと答えられるように準備しています。ミッキーやミニーの担当キャストは、今まさにその対応に追われているんでしょうね...。

 

 

多くのハードリピーターが口を揃えて言うのは、「昔は良かった」の一言です。もちろん、様々な要因で失っていったものがありますが、当時は携帯電話もなかった時代です。その場に行かなければ分からない楽しみや感動がありました。マニアにしか知らない情報は、マニアの間だけで共有されていました。それがSNSを利用する人の多くの手元に届き、時にはネタバレにつながることも多々出てきました。今は現地に行かなくても、誰かがリアルタイムで情報を発信しています。なので、純粋にディズニーの世界を楽しむことはかなり限られた範囲となってしまいました。今、この時代でSNSを廃止したとしましょう。考えたらぞっとする人が大半かと思いますが、視点を変えたら、昔楽しめたあのときのパークや雰囲気が戻ってくるのかもしれません。なぜならディズニーパークはそういう楽しみ方をしてもらうように設計されていますので。



ディズニーパークは、何でも許される夢の国ではありません。正しくないことをした人を教育する場でもありません。誰かさんの自己満足や謎の正義感、自由勝手な行動によって、ルールだらけのパークになっています。子供の夢や楽しさを大の大人が簡単に潰していることに早く気付いた方が良いのではないでしょうか。



自由気ままに、憶測だらけで書きまくったこのブログに説得力はゼロどこからマイナスのレベルでしょう。平成の時代に便利になった一方で、失われたモノ・コトはここでは書ききれないほど膨大です。私の好きだったディズニーの世界は、コンテンツだけが生き続けている場所へと変わってしまいました。携帯電話やSNSの存在が悪いとは言いません。ですが、今もこうして誰かが呟いたその内容が、世の中を悪い方向に変えているということを1人でも多くの方が気づくべきだと考えます。時代の流れが早すぎて、そういう根本的なことを考える暇や余裕すらなくなってしまっているのかもしれません。5/1から「令和」という新しい時代が始まります。どういう時代になるのかは誰にも分かりませんが、少しでも良い方向に時代が進んでいってくれることを願っています。また、東京ディズニーリゾートで良い知らせがくることをほんのわずかながらに期待して...。

 

 

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AKIRA